心の中、透かしてよ、

□8、欲しい物は3つまで!!
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─the one day─


学校での昼休み。

沖本くんは、アタシが意識をなくした後剣城たちが取り返したお守りをもらって、いつも以上にピンピンしていた。
心の色も戻っててとりあえず一件落着、ということで。

・・・で、グリードの方は・・・まだ解決してないらしく。
円堂監督は理事長とかに相談したらしいけど、まだ何も被害がないということで・・・何かダメだったらしい。

アタシはというと、一昨日の優一さんの言葉を聞いてから剣城を見ると恥ずかしいというか何というか。
・・・なんだかなー・・・。


まぁ、今日は4日ぶりの────正確には土日を挟んだけど────学校だ。

今アタシの手にあるのは英語の辞書。
周りにいるのは天馬くん、信助くん、狩屋くん、影山くん、剣城、葵ちゃんの6人だ。

・・・今思えば何で剣城だけ呼び捨てなんだろう・・・。

「greed・・・greed・・・あった!!えっと・・・強欲、だって」

「7つの大罪の1つだな」

「えっ、何?ななつのたいざい?」

グリードの意味を調べたところ、真っ先に反応したのは剣城。
そしてそれに天馬くんが質問した。

「7つの大罪ってのは人が生まれたときから持ってるとされる、7つの・・・まぁ悪いところみたいなもんだよ」

狩屋くんの説明が入り、天馬くんがへぇ、と相槌をうつ。

「一体彼は何者なんでしょう?」

「えっ、女の子じゃないの!?」

「えっ、男の子でしょ!?」

影山くんの言葉にすかさずアタシが反応し、信助くんがツッコミを入れる。

え、あれ?
女の子・・・じゃないの?
え、え?

「・・・男の子だと思う人ー」

アタシが聞くと手を挙げたのはアタシ以外全員。

「えっ!!あ、葵ちゃんまでぇ・・・」

「椿はあんまりちゃんと見れなかったから分からなかったかもしれないけど、あれは間違いなく男の子だったよ・・・」

とうとう葵ちゃんにまで見放されたアタシは、机に突っ伏す。

「うう・・・どうせアタシの目は節穴ですよぉ・・・」

「・・・ど、ドンマイだよ、和奏!!」

天馬くんに慰められるけど、明らかに顔がひきつってるよ・・・!!
いや、正直あれが女の子に見えたアタシが悪かった、うん、自覚してる!!

「・・・そういや胸のふくらみがなかっ、ったぁ!!」

言いかけたところで、剣城に思いっきり足を蹴られた。
サッカーしてる奴の蹴りは痛い。
痛い、まじで。

「なっ、何すんのさ剣城!!」

「いや・・・これは突っ込んだほうがいいと思ってな」

「お、剣城くんも空気が分かるようになってきたんだね」

狩屋が剣城に向かってしみじみと言う。

別にアタシは正直な感想を述べただけであり、突っ込まれるような言動は・・・──したか。

アタシが蹴られた足をさすっていると、葵ちゃんが「・・・大丈夫?」と心配してくれた。

「たく・・・剣城は女子に向かって容赦ないな・・・」

「女子じゃない。お前に対して容赦ないんだ」

「うっわ、ひっでぇ剣城!!」

とうとうアタシが席を立ち、剣城を睨みつける。
それを周りから見ていた他の5人は、微笑みながら言う。

「・・・平和だねー・・・」

「うん」

「夫婦喧嘩かよ」

「仲いいんですね」

「剣城がこんなに女子と喋るとは・・・」

各々の感想が耳に突き刺さり、5人の方に向く。

「「そういうんじゃない!!」」






・・・ハモった。
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