心の中、透かしてよ、
□2、初見wktk
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「う・・・ん?」
目が覚めると、そこは家、だった。
────家?
・・・アタシの家、こんな・・・だったっけ。
ふ、と傍におかれているものに目がとまった。
・・・ノートだ。
・・・とりあえず、読んでみようか?
和奏はノートを持ち上げると、ページをめくった。
『はい、えっとね、うん、あの、さっきの白いところで会った奴です。・・・ごめんね、文章力、なくて(笑)で、今君がいるその家は僕からのプレゼント・・・ってことで。一人暮らし、憧れてたでしょ?お金はこっちが負担するよー。これからも君が迷った時はここにメッセージ、書き込むから・・・よろしくってことで』
「なんなんだ、最初の迷いは・・・」
和奏はそう呟くと、ノートを閉じて、元の場所に戻した。
というか・・・憧れの一人暮らしっちゃあ一人暮らしなんだけど、見知らぬ地でやっていける自信ない。
正直言うと。
・・・ここ、本当にイナゴの世界なのか?
服装を見ると、確かに女の子用のリボンがついた制服になっている。
そして時計を見ると・・・、AM:7:50・・・。
何か思い立ったように、ばっ、とさっきのノートを取り上げる。
そこにはこう、文が添えられていた。
『ちなみにもう雷門中に入学手続きはしておいたよ。8時15分までに登校だから、そこんとこよろしく。地図は机の引き出しだよー(*´▽`*)』
最後にかわいい顔文字添えやがって・・・!!
とにかくもう家をでたほうがいいかも。
そう思い、近くにあった通学かばんを掴んで、そのノートと地図を入れると家の鍵の有る場所を確認する。
その鍵を持ち、ドアをあけ、鍵をしっかりして、笑顔を見せた。
「いってきます!!」