S・S

□7日間の恋人
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「ユーリがすきだ。」

オレンジ色の陽が照らすこの教室で紡がれた7文字の言葉

どうしてこうなったのか。

俺達はただ委員が一緒でたまたま隣の席だったから仲良くなっただけだ。

クラスだって隣の隣だし

目の前に座るハニーブロンドに翡翠の瞳を持つ美少年はその容姿から入学当時から話題を集めてた

俺だって廊下やグランドで何回か見かけたことはあった

その時の印象はただ『綺麗』

それだけだった。

それから委員が一緒になって、話しかけたら素っ気なかったので初めは取っつきにくい感じだと思ったけど、喋ったら案外いい奴だった。

気が強く我が儘で凄く照れ屋だけど優しくて、実は天然で可愛いとこもあって、恐ろしいほどに真っ直ぐな心を持った人

人見知りが激しいせいで友達があまりいないヴォルフラムに俺は構うようになって、

自然と二人でいることが多くなった。

そして今に至る

ヴォルフといるのは楽しい。

だけどそんな風に見たことは一度もないし…第一に俺達は男同士だ。まず有りえないだろ。

「えっと…さ、」
「一週間。」
「えっ?」

何か喋らなければと口を開きかけた時ずっと押し黙っていたヴォルフが口を開いた

「男同士なのはわかってる…だから、一週間だけでいい。一週間だけでいいから僕と付き合ってくれないか。」
「…ヴォル、フ?」

見つめるヴォルフの顔はとても真剣で唇を強く結んでいる

「一週間たったらきっぱりユーリのことは諦める。迷惑ももうかけない。僕の最初で最後の願いだ」

それ以上は何も望まない

だから

「一週間だけの恋人同士になって」

いつも真っ直ぐな翡翠の眸が一瞬不安げに揺れるのを見た時

「わかった。」

俺はゆっくりと頷いた

 

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