小説部屋
□愛玩部長(後)
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「…っ剣太郎、お前…」
腰をぎゅっと抱えこまれて、耳に熱い吐息が触れた
ダビデ…?
涙で滲みながらも、僕は横目でダビデの方を見た
「可愛いすぎる…っ」
甘くそうささやいて、ダビデはすっと目を細めた
「ほんと、可愛いすぎ…」
サエさんも、同じような視線で僕を見つめている
「…ぁっ」
そんな二人の目差しに、思わず体がゾクッとした
怖いとかじゃなくて、すごく…すごく愛しそうに見つめられて…
「…んっ、ふ…ぁっ」
体中が溶けちゃうくらい熱くて、頭がくらくらする
体も、頭の中も…、二人でいっぱいになっていく…
もっと、二人に触ってほしい…
二人のあったかい手で、体中撫でてほしいよぅ…
口が塞がれてなかったら、きっとそう叫んじゃってたと思う
犬とか猫が可愛がってもらってるときも、こんな気持ち…なのかな…
意識が白くぼやけていくなか、何故かそんな言葉が頭に浮かんだ