番外編

□愛の形
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灰崎と剛田が付き合って数週間後のとある真夜中

赤司のスマホが着信音を響かせ持ち主が眠り眼で電話にでる

相当眠かった所為かディスプレイに表示される人名も見ずに出てしまう









「…はい。あかしです」

「…えあ、あの…赤司くんはいらっしゃいますか」

「…そのあかしくんですが」

「チッなんだ赤司お前先にそれ言えよ!気使っちまったじゃねーか」

「…ふぁ、…だれですかぁ」

「…お前本当に赤司か?アイツは人前で欠伸するなんて信じらんねぇぞ」

「…あかしです」







個人の携帯にかけてこのやり取りはどういうことだろうか





ぐしぐしと重い瞼を擦り何処かで聞いた事のある声と荒い口調を動かない頭で探すが眠気が勝り見当もつかない


赤司はつい先ほど体力的に疲れる事をしたばかりだ。当然相手も隣にいる上に何も身につけていない

通常では考えられない程間延びした赤司の声だが入眠したばかりのアキラが起きてしまう位室内では響いていた


眉を不機嫌に寄せ寝起きの低音が赤司を嗜める









「…セイジュ。うるせぇ」

「だってでんわ。おれのせいじゃない。あいてがうるさいの」

「はぁ?相手、だれ」

「…わかんない。ねむい」








「テメェ赤司!こんの起きろ!イチャついてんな、羨ましいなクソッ」










電話越しから大きく荒立った聞き覚えのある声にアキラの脳内にある人物が思い付く

耳元で大声を出された赤司は半分泣きそうになりながら完璧に眼が覚めたアキラにスマホを押しつけ布団の中へ頭まで潜る









次赤司が眼を覚ましたら電話を取った事すら忘れている事だろう

仕方ないなぁと頬を緩ませ上体を起こす。布団の上から視えない頭を撫で通話を再開

布団の住人がもそもそ動きチラリと赤い眼がゆっくり瞬きを繰り返しながらアキラの様子を窺う

瞼に手をやり閉じさせればその手をとり自分のと絡め頬を寄せて花の様に笑う赤司









すき、と赤司の口が音も無く動きやがて眠りに落ちた












相変わらず可愛い事を仕出かす恋人に機嫌を良くし優しい顔つきのまま口からは不機嫌そうな声を出す











「…灰崎。何か用」

「うげ、藍澤かよ」

「征ちゃんはもう寝ちゃったからね。だからボクが代わりに出るしかないでしょ」

「…ドウモオセワカケマス」

「よろしい。で、こんな時間に急用?」









灰崎的にはアキラより赤司の方がポジション的にも話し易い

だからタチ側であるアキラと話すのは少々気乗りしないが純愛の恋愛の先輩と考えれば灰崎が求める答えがでるだろうかと思案








少しの沈黙を破り腹を括り緊張で裏返る声で問う









「デ、デートって何したらいいんだ!?」

「__はぁ?」







女とは散々デートしてたはずだろ




アキラの考えは声にならず絶句と言う形で飲みこまれた























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