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□オリオンのままに 36Q
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付き合って最初の頃はキスひとつうまく出来ない程に、想いに技術が伴っていなかった

それどころか相手の性器を口に含むだけで流血未遂事故を起こし、二人で肩を落としたのも今となっては懐かしい

妙な敗北感を味わい「絶対に上達してみせる」と意気込む赤司に、自分好みの技を仕込んだのは間違いなくアキラだった


その当人といえば、種が実を結んだと満足気に微笑み、目下の愛らしい顔がアキラ自身に吸い付くのを眺めていた


「ンんっぷ、ぁ…ん、ん、ンンッ」


唾液と先走りが混ざり卑猥な水音がずっと耳に叩き付けられ離れない

先端を口内で吸い上げる動作をするだけで弱く跳ねる感触に、赤司は嬉しそうに眼を細め、一度口を離す


頬を紅潮させ上目使いでアキラと視線を合わすさまに初期の失敗具合など嘘のようだ

見せつける様に起立したアキラ自身にぢゅ、と卑猥なキスをしたと思えば、愛しそうに頬擦りをする

清純潔白な柔い頬が情欲に濡れようが今の赤司にはどうでも良いことなのだ


「オラ、休むな」

猫のごとくアキラ自身に頬擦り、ねっとりと粘着質な透明の液体を滴らせつつ、ムスッと拗ねる赤司に苦笑を返す


休んでる訳じゃない。俺が愛撫してるんだから邪魔しないで、と言いたいのだろうがアキラの掌で濡れた頬を拭かれうにゃうにゃと聞こえる

折角ついたマーキングを拭き取られたショックに悲壮感漂っているが「続きは?」と促せば一気にやる気に満ち溢れ停止していた手も動き始める


「は…ぁ、ふふ…大きいなぁ」

興奮まじりに呼吸が乱れる赤司は竿の形を辿るようにゆっくり手を上下させる

ただ擦るので無く、強弱と緩急をつけるので徐々にアキラの息も快楽に乱される

普段ボールを扱う指は白濁を絞りだそうとばかり双球を弄っては、悪戯に軽く歯を立てるのには流石のアキラも息を詰める


「…っく、」

「…イきそうなんでしょ…アキラ」


目下にて眉を寄せ耐えるアキラの姿を見上げ、膨張してきたアキラ自身の裏筋をツゥと舌で舐め上げる

互いの痴態は見慣れてるというのに赤司の所作や目線ひとつにも絡みつく色気が堪らなく男心を煽る

類稀なる美貌の持ち主が自分を求め色気を撒き散らすなどただの視界の暴力だ。そんな姿さえ汚したいと挑発に挑発を返し赤司のペースを乱す


「、ああ。信じらんねえくら、いに…お口もお手々も上手になられましたな?」

「っあ、ぅぅぅッし、視界の暴力だ!あと耳の!」


水飴を溶かしたような甘い声と期待感に高揚する笑みが赤司の好みドストライクをぶち抜き混乱を極め発狂

その癖追い詰める手付きは相変わらず攻め抜いててそのギャップはどうしたと問いたい



赤司の手が濡れていない箇所が無い程に濡れ、擦るスピードが速まると聞くに堪えない水音が重複する

先走りのみならず白濁混じりになってくれば赤司の笑みが濃くなり自然と擦る速度は高まる


「っ、…は、…ッセイジュ、眼閉じて、上向け」

「ん…んんンっ」


切羽詰まった声に命じるまま瞳を閉じた瞬間。熱い液体が前髪を濡らし重力のまま頬へ落ち顎を伝う

口元を伝うそれを熱い舌で舐め取れば、愛する男をイかせた褒美の美酒に舌が歓喜で震えた

こくり。喉を鳴らし嚥下し、もう一度萎えたアキラ自身を口に含み容赦なく余っていた白濁を吸い上げると予想外のことにアキラの腰がピクッと揺れた


「ーーッく、ぁ…、は」

「…ん、く。ふふ、全部だしたね」

「…おかげさまで」


やってくれたな、と凄まれるが今更怖気付く精神の弱い赤司では無い

達成感と白濁の味にうっとりしてる姿に溜息をつきアキラはふと赤髪に少量残る白濁を見つめ呟く


「思ったよりも髪にかからなかったな。セイジュが垂れた奴も飲むから…」

「髪にかかるより俺の舌か胎内に出した方が好きだからに決まってるでしょ」

「…ほんと成長したよお前」


白濁は飲むものだろう。そう豪語する赤司はこの一年でアキラに毒されたと明確に証明された




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