黒子のバスケ

□オリオンのままに 31Q
3ページ/3ページ














「オラ不器用組…闇鍋の準備が…でき、」









足で器用に襖をあけた自称器用の灰崎が土鍋を可愛い花柄の鍋掴みで持ちながら床の間へ乱入

敷居を跨ぎ黒子と青峰の抱き合う姿を見てそのままのポーズで固まる

















黒子が助けてくださいと視線を送り青峰が灰崎に冷たく「邪魔すんな」と言い放つ。呆然と固まってた体を動かしキッチンの方を振り返り声を荒げて叫ぶ




















「オカーサァァン!!!末っ子が黒い人に襲われてるぞぉおお!!」


















ビリビリと鼓膜が震え黒子が思わず顔をしかめた瞬間











「アキラ!俺達の末っ子を青峰から救ってきて」

「勿論…はい、回収」














両親登場


赤司とアキラが色違いのシンプルなエプロンをつけたまま黒子を回収にきた




赤司の指示のままにアキラが青峰のハグを受けている黒子を救いだし取り戻そうと暴れる青峰の後処理を灰崎へ丸投げ黒子をそっと赤司の隣へ連れ出す

灰崎の「料理が零れたらぶっころすぞ!!」の一言で青峰は一瞬静まるが不満気に顔を顰めムスッと黒子の背中を眼で追う










それは獅子が獲物を狙う視線と酷似していた。フラグが立った所為なのか誰にもわからない














ふわ、と安心したように笑う赤司がやや乱れた黒子の髪を撫でた







「大丈夫、じゃないようだね」

「赤司くん…僕乙女ゲームとBLゲームの攻略なら完璧なんですけど…何故か青峰くんには選択肢がでてこなかった…っ!」

「うん。現実をみような」









がばっと赤司に張り付く。少し足元がふらついた赤司の背をそっと支えながらアキラがぎゃんぎゃん騒ぐ灰崎と青峰へ振り向き面倒臭そうに問いかけた

















「ちょっと煩いよ。テッちゃんの声が掻き消されちゃうでしょ」

「なんで赤司には自分から抱き付くんだよ!」

「ハッ!ンなのテメーが怖いからに決まってるだろっやーい悪人面」

「灰崎テメーぶっころす」

「むっくん。アイツ等黙らせてくれる?」















紫原が襖の向こう側から空腹により獰猛な獣のような瞳を灯らせたままのっそり登場


傷心中の黒子が赤司の背後に隠れながら小さく某巨人のテーマ曲を小さく歌う








「囚われた屈辱は反撃の嚆矢だ城壁のその彼方獲物を屠る…はい赤司くん」


バトンタッチと言い赤司の両肩をポンっと叩き続きを促す。少し考えた後小首を傾げながら一言












「……イエーガー?」

「イエーガー!!赤司くんっついに紅蓮の弓矢歌えるようになったんですねッ」

「この家で進撃全話観賞会した時みてたからね。流石に覚えたよ」

「…赤司くんの記憶力本当に好き…!」










赤司のオタク化は黒子の手により一歩ずつ進化を遂げていた


感極まり顔を両手で覆い隠した黒子は溜息に昂る気持ちを混ぜ率直な思いを零せばくわっと反発してくる輩が牙を向ける
















「オイ!テツ、なんで赤司に好きなんていうんだよっ魔王だぞショタ顔の魔王だ!ショタ司だぞ!?」



青い野郎(童貞)と



「テッちゃん!何で征ちゃんばっか褒めんの!?ボクだってフルで歌えるんだからたまには褒めてよ!」



藍の野郎(嫁持ち)だ















黒子に対しての執着心で張り合う中学生などコイツ等以外いないのだろう…今は














突然の事に黒子の感動も木端微塵に消え去り呆然と原因の2人を見やる

ムッと顔を顰め2人の鳩尾に拳を入れ物理的に倒す。腹を抱え蹲る2人に幼稚園の先生さながら優しく教え込む

















「いいですか?僕はキミ達のものではありません。なのでキミ達の我儘を全て聞く訳にはいかないんですよ」



それと青峰君。いい加減赤司くんのことをショタ司と言うのは止めてあげて下さい









「…っ、はい、せんせぇ…くっそ腹痛ぇ…!」









物理的な腹痛によりぷるぷると震えながら青峰の情けない声が畳に吸いこまれる

同じ状況に陥ったアキラの痛みに震える声が青峰を貶す








「ハハ…これ、でわかったろ…テッちゃんに、手だすんじゃ…っねーぞ」

「テメェが俺のこ、と…っ」











暇になったエプロン姿の灰崎がひょっこり現れ青峰の台詞に被せて呟く
















「好き」
















青峰とアキラが固まり暫し意味を考え理解した瞬間同時にゾワワっと背筋が凍りつく


痛みなどそっちのけで楽しんで見下ろす灰崎を睨みつけ思い付く言葉の限り罵った












「灰崎テメー!なんで女好きの藍澤なんかに俺が好きなんて思うんだバカ野郎がッ」

「灰崎ぃぃ!!ボクが好きなのは征ちゃんとテッちゃんって世界の理に記載されてんの知ってんだろ!セミ厨なんか入れないでよッ」




藍澤テメェ同じタイミングで言葉発すんな!


黙れ童貞間男


キィィィィイイ










罵られた本人は腹を抱えて大爆笑しておりバンバンと畳を叩き下品な笑い声が響く


あまりの騒音に黒子が無表情で灰崎に軽く蹴りをいれ赤司の嗜める声が静かに部屋をうめた

作業中なのかグツグツと煮える音が聞こえた















「灰崎。遊んでないでお前が持ってきたのを俺に渡して」

「う、わーったよ…オラ、いい加減小さい足退かせ」

「小さくありません。ビッグフットです」

「本物のビッグフットは腹空きすぎて炬燵で不貞腐れてますぅ!お前はスモールフットだスモール」

「語尾にスモール付けないでくれます?」










僕は小さく無いです赤司くんもイコールで結べる位身長あります


ぶつくさ言いながら足を退かす。痛みで畳に伏せている青峰とアキラをズルズル引っ張りながら炬燵へ座らせた


闇鍋用に持ち込んだ材料を各自赤司に渡しあと1人だけ提出されないことに赤司が溜息をつく





















部屋の片隅に膝を抱えてどんよりした雰囲気でキノコを作ってる緑間に一応、声をかける









「…緑間。具材は?」

「……もう終わりなのだよ」

「うん緑間。具材は?」

「……見知らぬ隣クラスの人にブブゼラを奪われた俺など…!」

「おかしいな。ねぇアキラ、俺の声いまサイレント?」

「いいや?ボク好みの可愛い声聞こえてるけど」










恥かしそうに視線を逸らす赤司の隣へと座り細腰に手を回し引き寄せた










また始まった。誰かが呆れてそういえば皆が頷く

空腹の限界に達し耐えに耐えていた紫原が痺れを切らしわんわん文句を言い飛ばす


















「イチャついてもキノコ生やしても喧嘩してもいいから早く闇鍋しよーよ!」


















→次回カオスin闇鍋本編はじまるよ!
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ