黒子のバスケ
□オリオンのままに 29Q
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素直に差し出された黒子の頬にかぷりと噛みつき吸えば赤司の太腿に見えたモノと同じのがひっそりと主張する
満足気にニッコリ笑い小刻みに震える黒子を解放したアキラは濡れて纏わりつく前髪を掻き上げ赤司の隣に腰を下ろす
「…ハッ!アキラくんもしかして僕の頬にキスじゃない何かしましたか!?」
「んー?キスしたよ。大丈夫大丈夫」
「まぁいつもより刑が軽いから別にいいんですけど」
ごしごしと頬を擦る黒子の姿は猫が顔を洗っている様で愛らしい
先程から小声でぶつぶつ言ってる声が隣から聞こえ聞き耳を立てると思わず背筋がゾワッと震えた
「くろこ、今日のメニュー8倍。アキラ、10倍。ふふ、腰の恨みは忘れないからなお前ら」
…どうやら昨日の可愛がり過ぎたのと先程の黒子の腰クラッシュが頭に来たらしい
ごしごしと頬を擦ってる黒子はまだ聞こえていないらしい。束の間の天国を楽しむがいい
ポタポタと髪から滴る水滴を取る為赤司の顔に掛かってたタオルをそっと外しワシャワシャと髪を拭く
適当に拭いている所為か水飛沫が飛び散り近くに居た赤司にも被害が及んだらしくギッと睨まれる
機嫌悪過ぎるがそこは慣れでなんとかしますか
タオルをアキラの頭から被りそのまま赤司の上半身へ覆い被さる
完全な馬乗り状態では無く赤司の顔の横に肘をつき覗きこむ形だ
絶えず伝い落ちる水滴が赤司の額や頬に落ち輪郭を伝って床に落ちていく。赤司が少しだけ眉を寄せるが声は棘を感じさせない柔らかさを感じさせる
「水、冷たいよ」
「ん。案外プールって冷えてるもんだね」
「いいな。やっぱ俺も入りたかったよ」
「腰が治ったら幾らでも」
「アキラ、ちょっと…くすぐったいってば」
赤司の顔に落ちる水滴を追う様に指で輪郭をなぞり瞼や頬を撫でそっと鼻先にキスを落とす
一応見学者用スペースの隅とは言え見ようと思えば見える位置だ。互いの表情がタオルで見えないのが憎いと黒子は唇を噛み締めた
タオルの下でイチャついてる2人の横をクラスメイト達(腐♂)が通りチラリと見て口を開く
モブA「やっぱイケメン同士って萌えるよな」
モブB「はげど(激しく同意)」
モブA「俺最近女見ても何も感じなくなったんだけど…終わってる?」
モブB「俺以外見る必要なんてねーだろ」
モブA「おま、え」
モブB「言っとくけど本気だからな」
黒「モブBさん本気で格好良いですね!!!同胞の皆さんっ」
きゃー!
はい。腐女子の皆様から盛大なる黄色い悲鳴頂きました
屋内プールは反響が体育館の比では無い
ビリビリとハウリングに酷似した現象が発生し恐らくタオルの下でキスの1つや2つをしてたアキラがバッと身を起こしタオルが重力で床に落ちる
不機嫌そうな表情を隠しもせず騒音の原因達をジロッと見て嗜める
「煩いよ。折角征ちゃんの機嫌が良くなってきたんだから叫び声は遠慮してね」
よっ、とコロンと横になってる息も絶え絶えな赤面中の赤司を起こし上げ自分の胸の中に閉じ込めたアキラは愛しそうに火照った頬にキスを送る
頬に当たった感触で赤司が薄っすら瞼をあけふわっとアキラに向けて微笑む。それだけでこの場の雰囲気が甘く変わる
「なぁに」
「いーや?ちょっと邪魔されたのが不満なだけ」
「ならまたタオル被る?俺がアキラに抱きつけばきっと、何も聞こえないね」
心臓の音で掻き消されちゃってさ
床に落ちてたタオルを拾い赤司は自分の頭に被せアキラに向けてふにゃ、と満面の笑みで甘く小声で囁く
藍色の瞳が見開いたと思えばすぐに腕の中の赤司に等身大のハグを噛まし首元に顔を埋めてしまう
心なしか藍色の濡れた髪の隙間から真っ赤な耳が見えるのは気のせいではないだろう
勿論誰よりも至近距離にいる赤司がそれに気付かない訳が無い
くすくす笑いを零し黒子の方を見て赤い瞳を見開き直に戻し黒子を手招く
ホイホイついてきた黒子がこてんと首を傾げ問う
「なんでしょうこのリア充」
「リア充の特別枠さん。そのキスマどうしたの?」
「__は?」
黒子が固まる。キスマ、キスマーク
なにそれおいしいの。むしろ赤司くんが好物でしょうに
今のはオフレコでお願いします僕の中の人
此処、とトントンと赤司は自分の頬を軽く叩き黒子に教える
するとハッと何か思い当たる節があったのかギッと赤司を睨みつける…正確には赤司の背後のアキラを、だが
「なんで俺睨まれてるの」
「キミの彼氏にキスハグの刑で付けられたんです。だからいつもと違う気がしたんですよ」
「…ふーん…黒子おいで」
良い事(悪戯)を思い付いたアキラの企んでいる顔に酷似した表情を浮かべた赤司に嫌な予感をヒシヒシと感じながら他のモブ達の熱い視線に応えるべく黒子は腹を括る
赤司くんの嫉妬のあまり僕の意識が無くなったら救急車をお願いしますね。同胞の皆さん
むくりといつもの美白に戻ったアキラが顔を上げ様子を楽しそうに見守る
「あの赤司く」
「__ちゅ」
互いに床に座り差程離れていなかったのが運の尽き
赤司がキスマのついた黒子の反対の頬にキスを仕掛けそっと吸い上げた
赤い華が咲いたのを見て満足気に笑った赤司とは正反対に石よりも固く成り果てた黒子はそっと吸われた頬に手をあて
__ゆっくり後ろに倒れ込む
「我が人生に悔いなし…あ、やっぱり同人誌は誰か貰い受けてください。それだけが心配ですから、パタッ…」
腐に関する者なら必ずブチ当たる問題をサラッと口外しシャイのあまり気絶
両頬にキスマと言う怪異現象を引き起こしたまま誰かが通報した救急車のサイレンの音が一刻も早く来る事を願って黒子は眼を閉じた
「テッちゃんちょっとはシャイ治ったと思わない?」
「思う。ショック療法って画期的だよね」
反省の兆しも見えない2人はモブ達が鼻血を出しながら先生と救急車を呼ぶのに焦るのを視界の隅におさめる
全てを丸投げして赤司の頭に掛かるタオルをアキラが少し捲り見えない様にキスをした
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