黒子のバスケ

□オリオンのままに 16Q
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「…で。強くなるのはキミ達だけ?どうせやるなら3軍全員でやらない?」




コート外にいたメンバーに半身になって拘束されてない左手を伸ばす

悪戯っ子の笑みを浮かべて「バスケが大好きでもっと心から楽しみたい奴掴まれ!」と叫ぶ






すると1人が足を踏み出しラインを踏み越え人間に怯える動物の様に恐る恐る近づきボクの手に触れてぎゅ、と握る








「僕は3年でもう残りわずかだけどそれでもバスケをもっと楽しみたい…キミの下でもっと強くなれるなら、僕はキミの手をとる!」








かっこいい決め台詞を吐いた人は3軍リーダー各の人。名前は忘れた






「やってみよう。次の昇格テストにはここの半分以上を上げて見せるってね」







個人の伸び代はあるにせよ確か後1ヵ月半後の昇格テストでは今とはレベルの差を最低5はつけて貰おう


リーダー各の人は「心強いよ頑張ろうか」と握手を強めに握り返す


そしてデジャブ再来


俺もオレも僕もとコート外の皆が一気に押し寄せ鮨詰め状態だしおしくら饅頭状態だし痛いし!







ぎゅうぎゅうに人が密集する中央にいるってのはなかなか辛い。でもボクの耳に入ってくるのは







「ありがとう。少しでも強くなれるように手を貸してくれて」

「監督やコーチは3軍なんてどうでもいいって言ってたしさ、ホント助かった」

「まだ強くなれるならなりてぇ。ならしてくれ頑張るから」

「__楽しみたいよ。バスケを心から。皆で勝利を喜びあいたい!」







感謝の意だった


各々の秘めたる思いがぶわっと溢れボクの両手に触れる温度は代わる代わる変わりもう手の感覚が無くなりそうだ

でも皆の気が済むまで待ってあげよう








困った笑みを浮かべて辺りを見ると何故か泣いてる奴がもう既にいて『気が早過ぎるよ!泣くのは引退の時に後悔してた時だけにしてよ』と言えば全員から「ハイッ」とビリビリと体育館を揺らす程の声量で返事が聞こえてきょとんとしてしまった



…ん?あれボクなにか追わなきゃいけないような…あ、












テッちゃんが征ちゃんに泣きつきにいったんだった…!!


前言撤回とばかり解放を求めて渋々はなれる面々に軽く謝罪しながらも素直に言う






「さっき不良先輩を轢き倒した黒子様を追いに行ってくるね!死活問題だから」







「黒子様…」

オレ等も明日からそう呼ぶか。おう




口ぐちに言われた言葉に明日実行されたらテッちゃんどんな顔するだろうと少し楽しみにしながら手を振って体育館を走り去った



目指すは第一体育館






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