黒子のバスケ

□オリオンのままに 14Q
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「すごく…大きいです」


はい。こちら黒子です。上の文はアキラくんの住んでるマンションを見上げた際に発しただけです



深い意味はありません。別にアッ―!とかそんな展開は皆無です

個人的に大好物ですけど




頑丈なセキュリティは僕が自動ドアの前にたてば正確に認識し無音で開き、感動しながら通り過ぎると無音で閉まりガシャンとセキュリティが鍵をかける音がした


近代的な外見と比例するおしゃれな内装を歩きエレベーターで最上階を目指す


最上階でエレベーターから1番離れた角部屋だよ、と赤司に言われたがドア自体が最上階は4枚しかない。あの1番奥の部屋がそうなのだろうと黒子は近づきインターホンを鳴らす



室内だけに聞こえるようになってるらしく外部には一切音が響かず黒子が思わず「壊れてるんですか」とつぶやいた


間違いなく仕様です。故障ではありません



ぴっがちゃ

ロックが外れ扉がひらいたそこには__





「黒子か。まってたよ」




ピカチュウの着ぐるみをしっかりフードまで被った赤司が笑顔で出迎える


「ピカチュウコス…だと…!?」



ズボンのポケットに入れておいたスマホを取り出し眼の前のピカチュウを連写。勿論フラッシュはたかない

眼がぁあああ!となったら可哀想だと配慮したからだ

きょとんとレンズ越しに黒子を見る赤司。すぐに呆れ顔して広めの玄関を戻り客人用のスリッパを出して上がる様に促す



何事も無かったように携帯を仕舞い無表情で挨拶した黒子に赤司はもはや溜息さえ吐かない

会う度に黒子シャッターが撮ることが多くなったのだから当然といえば当然かもしれない



「赤司くん尻尾掴んでいいですか」

「どうぞ…っあんまり強く引っ張るなよ」

「あれ?ばかぁって言わないんですか」

「ばーか」

「何か違う!」



リビングへ黒子を通し適当に座らせレンジで加熱中のラザニアの様子を見ながら2人分の紅茶を出す。黒子は用意されたミルクをどばーっと入れストレートティーがミルクティーに強制変貌をとげた


次からは最初からミルクティーを出してあげようと赤司は決意した


出された紅茶を半分飲んだ頃黒子がソファに置いてたリュックを持って、優雅に紅茶を飲むピカチュウの元に近づく

優雅なのに見た目ピカチュウなのがなんとも言えないが、中の赤司くんが天使なのでいっかと黒子は頭をフードの上から撫でる 

赤司はきょとんと黒子を見てすぐに零れない様に紅茶を遠ざけ、黒子を隣に座らせる

頭を撫でまわす手は放置されもっと撫でろとばかり擦り寄り、黒子は心臓が止まりかける


赤司くんのたまに来るデレが殺傷能力高いです…!天使です。これは絶対赤司くんが受けですよねアキラくん



「黒子は頭なでるのが好きなのか?」

「いえ別に好きではないです。でもなんでしょう…赤司くんが寂しそうに見えたので、なんとなくでしょうか」


笑ってるには笑ってるんだがどこか誤魔化しているように感じたそれは誰かさんによく似てて、思わず不安を吹き飛ばすように頭を撫でてしまった

癖って怖いですね



赤司くんは次第に俯き僕の肩にこつんと額を合わせ「…アタリ」と小さく自嘲気味に言う



アキラくんとケンカでもしたんでしょうか。余程のことがなければアキラくんは怒らないと思うんですけど…

もしかして”勉強”に繋がる内容だったりしますか。腐の神さま



赤司くんがぽつりぽつりと話し始めた内容を纏めると、性行為での失敗の出来事でアキラくんを怒らせてしまったかも、と思って技術向上をしてみせよう!と決め僕を呼んだと




同じ男だからわかります。あれ歯でがりりっなんて噛まれたらヘタしたらトラウマですよね

運が悪ければ勃起不全ですか



そう溢せば赤司くんが僕から離れ顔を覆って肩を震わせてしまいました

え、僕なにかトドメさしちゃいました?フラグなんて立ってなかったのに!



「ど、しよ…くろこ…アキラが、ひっく」



速報!

【誰か】友達の彼女(♂)を泣かせてしまった【たすけて】



はっ!いま速報がでましたね。取りあえずアキラくんのことになると乙女化する赤司くんを宥め泣き止ませました

頭からフードを外し直接赤い髪を撫でてできるだけ安心させる言葉を選び優しく声をかける



「大丈夫ですアキラくんですから。ケロッとして赤司くんの所に戻ってきますよ」

「……ん」

「ほら。勉強して技術向上させて次は失敗しなければいいんです。大丈夫アキラくんはこんな事で怒る小さな男じゃないですから」

「…そ、うだな。ありがと…黒子」



……ッげほっ

あまりの天使スマイルwithピカチュウで心臓が止まりました。可愛すぎる…もう国宝でいいよね…?


悶えながらもリュックから同人誌を全部取り出しテーブルにどさりと置く

赤司くんを見れば表紙を見てかあぁと耳まで真っ赤にしながらも恐る恐る1冊手にとり、頑張って読んでる様です

まぁさっきまで同じことをヤッてた様ですし、赤司くん的には自分とアキラくんがしてる様に脳が勘違いしてくれると私的においしいです


ちなみに赤司くんが読んでるのは先生×生徒の結構描写がえろい本です。モザイクは入ってたでしょうか…?

まぁ生々しい内容なのは確かですね。受けががんがん喘ぎますし




僕も近くにあったハードな内容の薄い本を読みます。ちなみに主人×奴隷系ですね


あ、これフェラ指導してますね…一応噛む所の仕方も書いてますから次読ませましょう




端から見れば無表情で腐男子レベルマックスな僕と、赤面しながら同人誌を読む赤司くんは変な組み合わせだろう

ふと隣でハァと大きめの溜息が聞こえピカチュウががばっと僕の膝を覆い尽くします



所詮膝枕です。天使かわいいよ天使

無表情の下でニヤニヤして心の中でキター!と弾幕が流れてます黒子です



「赤司くん本ぜったいに折らないでくださいね」

「大丈夫抜かりない」


本をテーブルに避難させてでろんと僕の膝に伏すピカチュウの頬を軽く摘めば、唸る声を上げいやいやと顔を振ります


…アキラくんはやく動画下さい。はやく本を厚くさせてください!!


この可愛い生物の絡みを




本 に し た い !




「くろこ?」

「はっ、はい」



いけないいけない。本性曝け出していい相手だが落ち着くんだ。黒子テツヤ



くるんと膝上で赤子の様に包まりちらりと上目使いのままふにゃふにゃ笑ってるピカチュウ赤司くん…まさか僕で対アキラくん用の練習を行ってる?


あざとい。あざといです赤司くん



「…写真とっていいですか?」

ぱしゃッ

「もう撮ってるじゃないか。黒子のへんたーい」


きゃっきゃっしてる赤司の写真はレアです。すぐさまアキラくんに送信します


すると何故か直にメールが返ってきてシャワー中なんじゃ…と首を傾げますが仕返しとばかり頬を摘もうと手を伸ばす赤司くんを片手でわしゃわしゃと頭を掻き乱してあげると「きゃー!」と楽しそうな声が聞こえた



乙女化は僕でも発揮ですか。特別枠おいしいですっ



「えテッちゃん来てるの?ならすぐボクも混ざる!でも服ないんだけど全裸でいい?」

「は?」

「アキラくんからのメールですよ。まったく怒ってない様ですね」


なでなでと赤い髪を撫でメール画面を見せれば感極まった赤司くんが嬉しそうに叫ぶ


「〜〜くろこぉお!やった…おこってないって!」

「そーですね!取りあえず全裸は止めてくださいっと。あとは…」



怒ってないと分かった途端に花が咲き誇る笑顔を振り撒くピカチュウに、片手を預ければスリスリと頬擦りする可愛い子の事を愛でてあげないんですか?__と送信


途端にバンッと荒く扉をあける音が少し遠いところで聞こえピクッと赤司くんが反応してむくりと起き上がり飼い主を待つ様にリビング入り口を見る



…随分調教されたようですnごほんごほん!

随分愛されてるようですね!


かわいい子がソファ越しに頭を覗かせてるのでオプションとして萌え要素満点のフードを被らせて耳を立たせます


うずうずと待ち望んでる足音が近づけば動く体に合わせて耳も生きている様に動くのでとりあえず後ろからシャッターを切ります


するとぺしぺしとスリッパがマイペースに近づく音が聞こえのっそりとアキラくんの間延びした声が聞こえ、赤司くんがソファを飛び越え未だ姿が見えない恋人に走っていくのでゆっくり僕も後を追う


携帯を連写モードにして見えない前方の廊下で801な光景があることをにやにやしながら期待して




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