黒子のバスケ
□オリオンのままに 14Q
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黒子との通話を相手から切られ少し心臓の音がばくばくと煩いことに眉を寄せ、感触も肌触りもいいソファにごろんと横になる
我ながらすごい事を言ったと思ってる。自分の性技術向上の為にそっち系の本を読むなど
黒子は俺たちの関係を知ってるしその、腐男子?とか自称しててそういう本も出してますよなんて後日暴露されたから思い切って相談したけど…
「顔あつ…」
氷を頬につけたらじゅぅと音を立てて溶けていくくらい熱い
ひたひたと頬よりは冷たい掌で触り冷却。効果はいまひとつだ
泣きはらした目元は熱を持ってて自分の髪と同じ位の色をしているだろうに
そもそもこう言った行動にでようと決心したのはアキラとの度重なる行為での失敗の所為だ
いくらキスの合間に鼻で息するんだよと言われたって上手くできない
それどころか酸欠で白旗を上げるのはいつも俺なんだ。アキラの技術の高さに脱帽なんてこの数時間で何度したことか
「…でも1番の失敗はアレだよな…思いっきり噛んで…アキラまだお風呂出られない位痛いのかな」
反省というより寂しそうな声で先程の失敗が原因で風呂に籠るアキラを心配する
はぁ、と深い溜息をつき機嫌取りの為に作ったアキラの大好物ラザニアを作りオーブンからほんのり香る匂いを吸いながら涙ぐむ
「…だって初めてだから、仕方ないじゃんか。甘噛みに失敗したって」
ぐしぐしと目元をごわごわする生地の服で擦る。全身黄色で耳と尾がつくなんて変なのにアキラが着ろって痛みに耐えながら遺言のように言うからすぐに着た
ちゃんと下着つけて着ればよかった。全体的にごわごわするこの服…というか着ぐるみ
俺はよくわからないけどピカチュウという奴の着ぐるみらしい。タグに商品名で書かれてたから知ったんだけど
それを素肌に直で着てるからチクチクするし子どもみたいで嫌だけど…アキラに言われたし、ある意味自分への戒めだと思いながらかれこれ15分は着ている訳だ
「アキラ〜…」
突発性アキラ欠乏症を発症しながら耳つきの黄色のフードを深く被り今日1番の失敗を思い返す
* * * *
遡る事30分前
何度目かわからない位交わってベットには使用済みのゴムが散らばる。後ろからつぷりとアキラ自身を抜かれ力が抜けた様にベッドに突っ伏す
散々吐き散らした白濁がシーツに湖みたいに広がり、突っ伏した俺の腹部を容赦なく濡らす
荒く呼吸を繰り返す俺と少しだけ呼吸を乱すアキラ。体力に自信がある俺よりも体力あるって何なのコイツ
途中寝た後行為にもつれ込みまた寝ては、の繰り返しをしている所為かそこまで体は痛くないのは幸いだ
ぴとり
敏感な臀部に熱く硬いアキラ自身を擦りつけられ、微弱な電気を浴びた様にぴくぴくと反応する俺は快感に酔っていた。それはもうベロベロにアキラに、色気に酔ってたと断言してもいい
上擦った声でイタズラを仕掛ける恋人の顔を振り返りながら嗜める
「ぅあン、んんん!なに、アキラ…それヤ、だ」
「んー?ああ。セイジュの”ヤだ”は”イイ”んだったな?」
「っはぁ!〜〜アキラッ」
少し大きめの声で呼べばやれやれと言わんばかり肩を竦め、俺の横にすとんと腰を下ろし、俺の髪を労わる様に掻きあげ頬にキスを落とす
どんなに言葉が荒くなっても俺を気遣う姿勢は崩さない所がいいな、なんて撫でる手に擦りよればアキラが嬉しそうに俺の名前を呼んで、脇の下に手を入れふらりと上体を起こさせる
なんだ。休憩か?
首を傾げる俺ににやりと悪戯っ子の笑みを浮かべ俺の手を掴みアキラ自身を握らせる
当然握らされた俺は顔を赤くして動揺してる。まじまじとアキラのを触ったのはこれが初めてなんだから仕方ないだろう!
「うあっな、!」
「うあ、な?」
「マネするなばか!」
「今更動揺するセイジュが可笑しいんだよ。なんで初めて触るかの様に反応すんだ?なんども下で上手に咥えt」
「あああああああ!!!!」
「…ほんとシャイだな。セイジュ、オレの噛むなよ?」
「んん!?」
意外に卑猥な言葉を容易く口にするアキラの発言を遮った俺に訪れたのは、無防備に開いた口を埋める熱い質量
ぐいっと頭を自身へと押されたのはほんの一瞬の事で瞬きをしてた俺にとっては神業だ
噎せ返る程喉の奥に入ったのでは無く、ほんの咥える程度だったのはアキラが気遣ってくれたからか
舌もアキラ自身に押され行き場が無い。仕方なく先端に這わせ時折じゅ、と吸う
アキラが俺にやってきた奴の仕返しだ。吸われる感覚がゾワゾワして直接叩きつけられる快楽に泣いて「ヤだヤだ」言ってたら雄の眼をしてたアキラに見惚れたという裏話だ
絶対口外しないけどな!
瞬間舌にさらさらとした液体が付着してびくっとしたが、上目でアキラを見れば軽く眉を寄せてこちらを見てたので、もっと反応が見たくて自分から頑張って入るだけ口に入れれば上から焦った声が聞こえ、ちょっとおもしろかった
口に入りきらない部分は両手で擦り時折下から上へ舐め上げる様にすればカウパーの量が増えた
「むぐ、む、んんん…」
「は、…セイジュ無理すんなよ」
「ん!(うん)」
「っう、ん!ね、そこさっきオレがしたみたいに軽く噛んで」
ここ?
くびれ部分を焦らす様にちゅ、と吸いつけばびくりと揺れここが弱点かと脳内に叩きこむ
アキラの弱い所を噛むと言っても結局は口いっぱいに開かないといけないようだ
噛むといってもどれくらいの強さでやればいいんだ。キスする時に舌を噛む程度か?
でも性器ならもっと強くても…
じぃっ
俺のよりも一回りはでかいそれは口に入れると分かるがとても硬い。吸い付いたところで硬度を増すのだから多少歯をたててもいけるだろうか
……アキラなら大丈夫か。歯をたてる位の壁は乗り越えたってなんとか受け止めるだろう
よし、噛もう
あーんとお菓子に齧りつく様に亀頭を口内に収めそのままくびれ部分に歯型が付く位噛み付く
がりりッ
「ッッ〜〜〜!!?」
あれ。なんか萎えたみたいだ
そう不思議そうに考えてた俺の口から無理矢理アキラ自身を抜きすぐ横で股間を両手でおさえ蹲る姿が見え「やってしまった…」と冷や汗をかく
とりあえずアキラの腰を撫でて謝るが痛みを耐える事に必死で俺の声が届いてないらしい
…口の中は血の味がしないからトドメは差して無いと思いたい
やっぱり強く噛みすぎたのか。アキラは俺のに歯をたてる時軽く優しく立ててたのは俺のサイズに合わせた強さでやってた訳じゃなかったようだ
しょぼんと落ち込む俺は再び謝罪の述べる
「ごめんアキラ。ごめんね」
「っ…、…!」
「痛いよね…ごめんなさい」
小さくアキラが唸る様になにか呟いてるのに気付き耳をアキラの顔に近づける
「 Son of a bitchッ!My cock's killing me !! 」
(くそ野郎!オレの息子が死にそうだ…!)
ビッチ…キリングミー
なんと言われたかなんとなくわかりこの数時間で随分緩んだ涙腺が仕事をしてボロボロと泣き始めてしまう
だって、大丈夫って思ってたんだよ
アキラだし大丈夫だろうって
俺ビッチじゃないし、アキラだけなのにぃ…!
ぐしぐしと涙を拭いながら零す言い訳に情けなくなってまた一段と涙が零れてシーツを濡らす
声を殺すのをやめ「うぇええ」と徐々に声に出せばさすがのアキラも俺の声が聞こえたらしく、脂汗が滲む額をシーツに擦り付け泣いてる俺を見える様に顔を向けてくれる
ぎゅぅ、と眉を限界まで寄せ瞼を閉じ青褪めてる表情を見れば罪悪感でいてもたってもいれなくなる
「ごめ、ごめんなさ、アキラ」
「…セイジュ。おねがい、きいて」
「!なに?なんでもきくよ」
アキラが薄く瞼を開き泣き続ける俺を見た後視線を壁に設置されたクローゼットに向けられ、また眉を寄せて苦しそうにシーツに額を擦りつけ顔が見えなくなる
同じようにクローゼットに視線を向けすぐに蹲るアキラの腰を撫で耳を立てる
「あの中にさ…ッ、黄色の耳としっぽがついた服あるからソレ着て視界から痛み緩和に務めてくれない、か」
「きいろ?…わかった待ってて」
クローゼットを開けて青系や黒系統が多い中異色を放つ服を見つけ取り出す
…着ぐるみ?
とりあえず着よう。これ着て良くなるなら構わないんだから
少し大きめの黄色のあまりいい肌触りといえない黄色の着ぐるみをきてもう1度ベッドに上がり、汚れを器用に避けてアキラの横に腰を下ろす
振動で気付いたらしく息絶え絶えなままこちらを見てふんわりと笑う恋人の額を優しく撫ぜた
「セイジュ…」
「これで少しよくなった?」
「かーわい…でもやっぱり痛いもんは痛いらしい」
「え」
のそりと起き上がるアキラは全裸のまま傍にいた俺の手を掴み、ベッドを下り螺旋階段を下り、リビングのソファに俺を強制的に座らせて早口で淡々と告げる
「風呂いってくるからオレの服脱衣所に後で出しておいて。その格好のままでずっといて。あの部屋片さなくていいから」
そう言って呆然とする俺に軽いキスをしてから深刻そうな表情でリビングを出ていった
…どうしよう
まだボロボロと流れる涙が頬を伝いとにかく現状が不安で不安で仕方ない
「ぐす、ふぃい…い、…ど、しよ。おこらせちゃったかも…アキラ…」
己の性技術の無さに愕然とし被害者を出してしまった現状を改善する為に「そうだ黒子を呼ぼう」となるまであと10分…
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