黒子のバスケ
□オリオンのままに 8Q
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「赤ちん。不機嫌中悪いんだけどーアキラちんコーチと口論してない?」
「…え」
項垂れた頭が反応して口論の先へ顔を向ける
そこには机越しに大声で口論し合うコーチとアキラの姿。だが聞こえてくる内容がおかしい。本当におかしい
「ノ―!ノ―!ユーマストプレイバスケットボールナウ!」
(ダメ!ダメ!君はいまバスケをしなくちゃいけないんだ!)
『 Therefore ! I would like to go into tri service! 』
(だから!ボクは3軍に入りたいんだって!)
「は、え?」
「3軍に入りたいんじゃないですか?トリって3のことだった筈ですし」
「こんな流暢に英語話してるんだ。本場仕込みの可能性は高い。そんな奴を3軍に置けるわけがないだろう!!」
淡々と判別していたコーチが取り乱し我儘を言うアキラへ喰い付く姿はコーチの印象が大分変わってしまった
思いっきり悪い方向に。いや別にいい印象を持っていた訳でもないからどうってことはないんだが
「コーチ英語へただねー」
「ああ。中学の時の英語の成績は赤点ギリギリそうだな」
俺等のこそこそと話した内容が何故か聴こえたらしく顔を真っ赤にしたままテストが終了した生徒が密集する場所を睨み声を張り上げる
「誰だ!俺の英語の成績赤点だっていったの!?赤点じゃないぞ!」
「コーチ必死すぎて笑える」
「 Me too 」
(同じく)
「Oh 最弱勇者。お前とはいい酒が交わせそうだ」
「HAHAHA!」
ガシッ
固い握手を結ぶキャプテンとアキラには変な友情が芽生えたらしい
そのまま2人でコーチを放って笑い声を高らかにあげるものだからコーチは更に顔を真っ赤に染め上げる
きっと自分が笑われていると誤解しているのだろう。被害妄想乙
「お前ら何笑っているんだ!!どうせ俺の事なんだろ!」
「なんてこったいブラザー。コーチがご乱心だ」
「参ったねシスター。ひとり顔面トマティーナ祭り開催しているんだね!」
「え?俺シスターなの?」
大変だ。キャプテンとアキラの波長が合い過ぎてとんでもないことが起こりそうだ
というかアキラ日本語ペラペラ喋っているのを聞いてコーチが真顔になった
「……君日本語喋れないんじゃなかったのか」
「あ、あいどんつすぴーくじゃぱにーず、べりーうぇる」
(日本語うまく喋れないよ)
俺は見た
アキラの顔に「やべ。そういう設定だった…」と書いてあったのを
顔を気まずそうに横に背けるアキラの隣で大爆笑かましてるキャプテンにこの場の一年全員が不安に駆られたのは哀しいかな事実だ
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