番外編

□背比べユニフォーム
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サイコー様リク

内容:未来編彼ユニ


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乾いた洗濯物はほのかに花の匂いがする

くどく無く静かに寄り添う匂いはセイジュのお気に入りだ。服をたたむその時間が苦にならない理由のひとつだ

その匂いが香るリビングにて鼻歌を歌いながら服をせっせとたたむ。ちなみにアキラは自室でお昼寝中なのでリビングにはセイジュ1人の状況である

とくに寂しいという感情は無いらしい




2人の服を仕分けながら服の山を切り崩している最中にアキラのユニフォームを見つけバッと広げ眼前に晒す

ユニフォームの持ち主の身長が190越えなので広げるととても大きい。試合用のユニフォームだけでセイジュの体を容易に包みこめるほどの大きさに落胆


肩を落としユニフォームを床に置きセイジュが拗ねた顔で自身の二の腕を触り部活をしていた頃より明らかに細くなった現実に落ち込む



「ボクだって昔は筋肉あったのに…はぁ」




今はほとんど落ち現役のアキラに比べれば完璧に男女の差だ

わずかな男のプライドがささくれる



「まずいよこの細さテツヤレベルだよ」



脳内で日本在住の黒子が無表情のまま「見てくださいこの力こぶ」と例のポーズをして見せた

そのレベルだ。セイジュもこのままではまずいと思うが脳内での黒子の破壊力が思いの外強くクスッと笑う


黒子の存在1つでテンションが上がり主婦化による弊害などどうでもよくなる。落したユニフォームを拾い…着てみた

だぼだぼのユニフォーム。セイジュが服を着た上にエプロンをつけても難なく着れるそれは花の匂いと一緒にアキラの匂いが香って。自然と笑みがこぼれる





「安心する…」





抱きしめられてるみたいで




「、アキラ」




衝動的に会いたくなる






まるでアキラ欠乏症。セイジュが大好きな香りに身を包まれるだけで会いたくて仕方なくなるなんて


洗濯物を放置しバタバタと2人の寝室へ駆け込み不自然に膨らむベッドへダイブ




「うぐっ」




旦那の潰れた声。うつ伏せに眠る癖がとれないアキラの上にしがみ付き寝返りを打たれた拍子に重力の流れでベッドの上に転がり落ちる




べしゃっ

落とされ不満気にアキラの腰を蹴る




「〜〜何で落とすの!」

「…旦那の睡眠妨害した上に蹴るのか。悪い夢だ。もう1度寝るから邪魔すんなよバカ嫁」

「…ボクを置いて寝るの?」



掛け布団をガバッと剥ぎ床に落とす

肩からずり下がるユニフォームを上げつつ仰向けに横になるアキラに覆い被さる

眠そうに瞼をあけたアキラがようやくセイジュの着ているものに気付き瞠目…やがて軽く吹き出して一言




「お前体小さいな…オレのユニフォームがばがばじゃねーか」

「アキラが大きすぎるんだ」




拗ねたセイジュが肘を折り体をぺとりと隙間無く重ね厚い胸板に顔を埋める

ゆるくセイジュの細腰に手が回り視線がバチッと合う




何故か笑顔のまま突拍子の無い一言がセイジュを固まらせる


「脱げ」

「は?」



なにいってんの。隠しもせず表情に浮かべる

ユニフォームをくいっと引っ張り催促




「ユニフォームの下は裸って決まってるだろ」

「は、離せ!逃げる、にげる!」

「人の上で暴れんな」



剥がされる予感がし暴れるセイジュ

楽しそうにセイジュを組み敷き慣れた手付きで全裸にし最後に大きすぎるユニフォームを着せて完成

羞恥心で耳まで赤く染めあげるセイジュは顔を両手で隠しアキラを見ない様に隠れてるつもりだ



「追い剥ぎだ、服、剥がされた…っ」

「セイジュは頻繁に追い剥ぎにあってる訳だ。で、その追い剥ぎ犯がだいすきでしょうがねぇ訳だ」

「…」

「オレも大好きだ。オレを好き過ぎてオレのユニフォームを着ちまうトコとか…可愛くて仕方ねぇ」



包み込むように抱きしめた

顔を覆う隙間から潤む赤眼がこちらの様子をチラチラ見てる様子に幸せそうに笑う

くぐもったセイジュの声がする




「ボクはあいしてるから、アキラのそういう横暴なとことか結局…笑って許しちゃうんだ」




言い終わる直前から1人でくすくす笑い始め「なに笑ってんだ」とセイジュと同じ表情を浮かべたアキラにより手は外され深く絡め取られてしまう

抵抗もなく隙間無く絡めた指は2人の距離を寸分の狂いなく表しているようで



幸せ。言葉に出さずに伝わった気がした







微笑みながら笑いキスをしては視線を交わせ額を軽くぶつけもう1度笑うの繰り返し

アキラが「お前ももう1度寝るか」ときけば縦に振られる首

優しく抱き寄せ掛け布団を拾い首まですっぽり被る…当然セイジュが頭まで布団に埋もれる訳で苦笑しつつ顔を出してあげる

絡む足はセイジュのみ素肌を晒してるのでその柔さに反応しないように理性で抑えつつ抱きしめ瞳を閉じた






日は落ちようとも2人で残った洗濯物を畳んで今度はキミに抱きしめられて幸せを感じたい






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