番外編

□ぬこ耳注意報
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「藍澤さーん。お届け物ですよ」

「…ん…はい、」







とある昼下がり

睡魔の波が襲いかかり2人してアキラのベッドで本格的な昼寝を試みてる最中に突然の配達物

まだ微かに意識があったアキラが渋々起き荷物を取りに下へのっそり歩いていく


赤司は綺麗に夢の世界へとダイブを決め込んでいた。寝顔は天使だったと記載しておこう








荷物を管理人から受け取りお届け人の名前を見て面倒な物を見たように顔を顰めた



「…また未来のボクから?」



以前もハタ迷惑な騒動に巻き込まれた記憶が甦る…がはっきり思い出したくなくて思考を止める

軽い荷物を片手に持ち欠伸をしながら赤司の眠るベッドへ戻る



ぐっすり眠るその子はアキラが自分の傍を離れた事さえ気付かなかったのだろう

微妙に苛ついて柔い頬をぐにっと引っ張り八つ当たり。眉を寄せ唸る




「うぅぅ、ひゃめろぉ…」




止めろ。寝てる癖に一丁前に言い放つ言葉に頬を緩ませ「ホント寝汚い」と文句を垂れた

頬を離せば元の天使に戻りふにゃふにゃと訳のわからない言葉を呟き眠り続ける

そっと頭を撫でつつ空いた手で荷物を開封




「香水かな…?」




手に取ったのは小さな小瓶。観察すればプッシュすれば中の透明な液体が霧となり噴出される形状

怪しんで匂いを嗅ぐが無臭。正体を知るため入っていた箱を見ると見たことあるメッセージカード

小瓶を置きカードの中身に目を通す…その内に口角が上がっていくのを自覚しながら




「…この液体は人間の体を部分的に猫化し猫語のみ話すようにする面白アイテムです」




いや、怖すぎるんですけど

未来って進化しすぎて怖い

でも自分にされないなら面白アイテムなのも頷けるか




「1プッシュで1時間持ちます。にゃーにゃー鳴く相手に何をするかはアナタ次第!」




ちらり

なにも知らずにすぴすぴ眠る赤司




もしこれに髪の色と同色の猫耳が生えたら垂れ耳だろうか。ピンっと立ち今まで以上に自分の声に敏感に反応するのだろうか


想像は尽きることを知らない


ベッドに転がる小瓶を手に取り迷うこと無く赤司の髪に向け1度だけ吹き付ける




しゅっ




待つこと18秒後


「……!え、やば」



一瞬でピンっと立った赤い猫耳が生え元の耳が消えた

慌てて耳があった場所を触るが普通の皮膚と変わらなく綺麗に平らになってしまった

カードには必ずもとに戻るから大丈夫、と書いてあるため心配を止める



「…んに」



寝惚けた変な声が聞こえる

パッと赤司を見るとぐしぐしと目を擦り目を冷ましたようだ



もう1度「んに」と言いながら自身の髪を掻き揚げピタッと止まる

寝る前までは無かった筈のふさふさした猫耳が頭に生えている事を発見したらしく大きな眼を見開き何度も何度も耳を触る



触れば触る程赤司の意思に反してピクピク動く耳。やがて耳を触るのを止めた


まだ夢の中だと思い再び布団に潜る赤司の猫耳を軽く引っ張り現実を知らしめる




「んにー?…にゃ、?にゃ、ふ…!?」

「征ちゃん。全部現実現実」

「みゃ!みゃん」





そんな訳無いだろう!

表情に浮かべ睨みつけてくる

摘んだ耳を程良い力でマッサージすれば気持ちよさそうに眼を細め耳がペタッと伏せられる…もっと?あーはいはい





…正直猫好きなボクとしては最高に癒される。もっともっと、と擦り寄ってくる可愛い子

耳の付け根をぐりぐりと弄ればフルフル震え鼻から抜ける高い声が背筋をぞくぞくさせた






「ふみゃぁぁ…っみゃ、ぅ」

「人間の時も猫の時も征ちゃんが弱い所は変わらないね」

「んにー…」





上目遣いで啼かれる。妙に火照った頬が情事と酷似して衝動的に赤司の首筋に吸い付く

赤い華を咲かせ続ければみゃーみゃー啼く声が次第ににぃにぃと甘えた声色へと変化


ほんのり匂わせる情事前の雰囲気を感じとり高揚感に猫耳をパタつかせる




するり


アキラの首に白い腕が伸びそっと抱き着いてきた

頬を寄せればザラついた猫特有の舌がアキラの頬を舐める。唇に1度吸い付き催促する様に舐めた






赤司を見下ろす藍色の瞳の奥に燻る欲の炎を焚きつけるように小声で甘く啼く




「…にぃ、」


欲しい。ちょうだい






んにー…とアキラの名前を呼んで微笑む

猫語など理解できる筈など無いのにアキラは赤司と同じ笑みを浮かべ呟く





「…にゃーお」

やるよ。全部






思わず眼を見開く赤司を取り残し赤司の慌ただしい猫耳を毛づくろいするように中も外も舐め尽くす

メッセージ通りにゃーにゃー啼く子を好きにすることに決めたアキラはふと視界の隅に映ったベッドに転がる小瓶を手に取り自分へ迷わず吹きかける





しゅっ




ぺいっと小瓶を放り投げ呆然とアキラを見る赤司ににやりと返し早急に赤司の下着ごと太腿までズリ下ろし隠れてた赤い尻尾を捕まえ毛づくろいとばかり舐め上げる


敏感な尾に熱い舌が滑る感覚だけでも背筋がぞくぞくして変な声が漏れる。徐々に舌が猫特有のザラつきが交わり完全に変われば抑えなど効かない






「んみゃぁぁっにぃ、にぃ…!」

「尾も弱点みゃ…?にゃ、ふ…」





喋ってる最中に完全な猫化を果たし人語が話せなくなったようだ

唾液でしっとりした赤い尾を解放すればゆるく持ち上がり力無くぺしぺしとアキラの太腿を叩き何かを催促

するとアキラが赤司の手を自分のズボンのベルトへと誘導し勝手に外させる。今の赤司と同じ状況にすれば藍色の尾がゆるりと姿を現す





「んにーっみぁ!」

「なぁーう」




赤司が眼を輝かせアキラの尾を指差し感極まった声を出す

御目当てのモノはこの藍色の尾のようだ。赤司の赤色の尾へ近づければ隙間無く螺旋状に絡まる

アキラ的には自業自得だが唾液に濡れた尾と絡むのは違和感しかなくしっくりこない

だがその様子を知られても困る。まぁ藍色の垂れ耳に夢中になっている赤司は絶対に気付く筈も無いが




耳を触られてぞくぞくする感覚に逃げたくなり夢中で触る赤司に控えめに止めてもらおうと声を掛ける



「んに、みゃん」

「み」



ヤダ。笑顔で言われ思わず固まる


やめろ。ヤダ。やめろ。やぁだ…不毛の応酬に痺れを切らし赤司の赤い耳を咬み生えた八重歯で軽く力を籠める


急に怯えてみゃーみゃー啼く子にトドメとばかり互いの尾で雁字搦めになる場所をぎゅっと力を込めれば本格的に涙声になりようやく垂れ耳が解放

赤い耳と尾を解放すればぶるぶる震え怯えているようだ。耐え切れなくて大粒の涙が溢れザラつく舌で舐め上げる




「なーぅにゃにゃ」

「みぃ…んにー…みぃ」




自業自得だと嗜めれば名前を呼ばれ泣きながらハグを要求される

要望に応え真綿で包む様優しく体を包み込む。すると機嫌が良くなったらしくやんわり笑みを浮かべキスしてくる


ぱたぱた動く赤い耳。キスのし過ぎで酸素不足になればぺたっと伏せられぷるぷる震える姿は実に愛らしい






まだ舌もいれていないのに。おこちゃま







茶化せば顔を赤面させたままふーっと怒ってくる


噛みつかれるかもしれない。血でも流れたら舐めてもらうからいいか


今にも噛みつきそうな赤司の口を塞ぎ舌を探しだし絡める。逃げられない様にベッドに圧し付けとろとろに溶けるまで絡める

最初だけの弱い低抗もやがては首に手を回して求めるまでに変化

キスの合間に至近距離で濡れた赤眼が優しげに歪む





それを見ただけで静まっていた劣情が湧きたち効き過ぎた薬は残されていた人間としての理性を吹き飛ばす


着衣のままだとかこのベッドで情事禁止だとかまだ慣らしていないだとか様々な大事な事が全て吹き飛び荒々しく赤司を喰う




ひとかけらも残さず全身余す事無く食べ尽した結果

寛容な赤司でさえマジ切れしてしまい土下座しながら謝り尽くすなど今のアキラは考える能力は残されていなかった





「ばか!ばかっばか!!あんな薬すぐ捨てろばかアキラっ」





黒シーツが本来の色を忘れてしまう位汚れた物に全身包まりその中から全力で掠れた声を張り上げ怒る赤司

きっとこのシーツの中で顔真っ赤にして今までに無い2人の痴態に頭の中が混乱してるんだろうなと予測しつつ苦笑いで謝り尽くした









(り、理性なくしたアキラがあんな激しいなんて、俺もたくさんへ、変な事を…恥かしくて出れないぃぃ)

(猫語で乱れられるのって最高!)





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