番外編
□前進する科学の果てにて、
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ネズミ様リク
2人の子どもを夢主が可愛がりすぎて赤司が嫉妬
※男性妊娠ネタなので苦手な人はお戻り下さい!
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世界に不変などありえない
常に進化をし続け新しい革命を産み出していく
たとえば、この世界では浸透し始めた技術のひとつのように…
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セイジュがぼんやりと聞き慣れたフレーズから始まる特番を聞き流す
じぃっとデレデレになりながら何かをあやすアキラを詰まらなそうに見つめながら
A「CIAにも目をつけられた!俺達dangerous ideas-危険な思考-の技術力を皆さん…もう知らないやつなんか居ないよな?」
B「そう!俺達は世界中の同性愛者に神からの贈り物を捧げた!…天使のようなベイビーを貴方達に!」
その言葉をききアキラの腕の中できゃっきゃっと嬉しそうに笑う小さな子どもを見つめる
セイジュによく似てる姿。赤髪でツインテール…本日のセイジュと同じ髪型である
母親であるセイジュと瓜二つだが唯一違うところと言えば瞳の色だろう
アキラの藍色の瞳をそのまま埋め込んだみたいで2人の血を分けたとすぐ分かる
まだ1歳半だというのに優秀な遺伝子が大活躍し舌足らずながらも会話も可能になった…テレビの言う通り天使だ
そんな天使を猫可愛がりするアキラが子供をハグし頬にキスを落とせば幼い声で喜ぶ声が響く
「あきら〜くすぐったいのー」
「アンジュ。オレのアンジュ…絶対嫁にやらねぇからな」
「?あきらのよめは、せいじゅでしょ?」
「…アンジュ。細かいことはいーんだよ」
「いーんだよー!」
「可愛い。ホント可愛いな…愛してるアンジュ」
また、キスしてアンジュが笑う
そのバカップルさながらの親子を見ているうちにセイジュの眉が寄せられる
絶対細かくない。アキラの嫁はボクだけじゃないか
いくらアンジュでもそこは譲れないし…って1歳半の子供のに嫉妬なんてバカらしい
でも、アキラが朝から晩までアンジュに恋人みたいに愛を囁くんだもん。ボクがついでみたいじゃないか…
誤解が起きないように言うけど、別に愛されてない訳ではないからね?
だって2人目もつい先日いることわかったし。まぁわかったその日からアンジュへのスキンシップが異常に増したんだけどね
……ボクだってもっと、ベタベタしていたいのにな
次第に2人を見ていられなくて視線を逸らす。再び番組の続きを見る
アンジュが不思議そうにセイジュを見てることに気付かないまま
A「この小さな錠剤を飲めば3日で妊娠できる体になり期間は7日間。その間に妊娠できたら継続期間に入り子供が生後半年になるまで効果は続くんだ」
B「俺が実体験したから保証するよ。女体化ではなく半陰陽という形になるから理解してほしいな!」
A「ちなみに俺が父親ね!ハハハ」
…いまだからいうけど。危険な思考を立ち上げた彼らはボク等の元クラスメイトのカップル(腐)だよ
所謂腐大臣の配下というか腐の民。よくイチャイチャしてた彼等に資金提供した結果新しいビジネスというか革命起こしちゃったんだよね
テレビを見ながらふと溜め息
…駄目だ。こんな考え…マタニティブルーって奴かな
アンジュに嫉妬する程、余裕ないのかも
「んー!あっち、いくの」
「おっと、わーったから暴れんなアンジュは女の子なんだからな」
「…アキラのばか!」
「はいはい。ママのとこ行ってきな」
とてとて。アキラの膝から降りセイジュの膝へ乗り上げぺちっと頬を叩く
まったく気付かなかった為心底びっくりしたセイジュが自分そっくりのアンジュを見る
「ア、アンジュ?なんでボクを叩いたの?」
「せいじゅ。へんなおかおしてるの。いたい?」
こてん
首を傾げ眉を下げる仕草はセイジュの癖と酷似している。無意識にしてるものだからアキラが主にドキッとするポイントらしい
アンジュの言葉にう、と言葉を洩らし罰が悪そうに顔を曇らせる
心なしか隣のアキラもじーっとセイジュを見ている。アンジュもアキラもセイジュの様子を見逃す訳など無いのだ
再びぺちっと頬を叩かれ無言で言え、と促される
普段笑顔な癖にこういう時だけ真顔になる所なんかアキラそっくりだ。内心そう思いながら口を開く
「痛くないよ」
「せいじゅ…ううん。まま、あんじゅにおしえて?」
「、(ママ呼びキタ。おねだりの時しか使わない癖に…かわいいなぁ)」
「ほんとはぱぱとあんじゅになにかいいたいんじゃないの?」
まっすぐにセイジュを見つめる大きな藍色
本気で心配してるのが伝わりアンジュの頭を撫でそっと表情を和らげる
言い難そうに言葉を紡ぐ
「…アンジュには難しくて意味分からなくても聞いてもらえる?」
「うん」
「あのね、アンジュに嫉妬してたんだ。ずっとアキラに構って貰えるのが羨ましい…んだ」
セイジュがアキラをまっすぐ見る
驚いて大きくなった切れ長の藍色がセイジュの視線と絡まりズズッとアキラが近づく
ズイっと近付く端正な顔がそのままリップ音を立て唇にキスを落とす
アンジュの情操教育に悪いだとか頭の片隅に思うが優しく微笑みかけられれば心が満たされふわん、と笑みが零れる
アンジュの嬉しそうな声が下から聞こえる
「ちゅーしたぁ!せいじゅかわいー!」
思わずバッとアンジュを見て赤面
みられた、なんて口に出せばアキラに生まれたときからキスくらい見せてると意地悪く返され唸るしかない
アキラの大きな手がそっとセイジュの頭を自分の胸に引き寄せ寄り掛からせる
アンジュを片膝に乗せ抱えながらアキラが甘く教える
「セイジュはどんな顔でも可愛いんだよアンジュ…嫉妬でも、な」
「しっと…」
「今度火神に聞きにいってみな?面白いこと聞けるぜ」
近場の火神に全て丸投げしアキラの胸に顔を埋めたままのセイジュの赤い耳に口を近付け囁く
「で、続きを教えてくれよ」
「うー…」
言いたくなさそうに渋る
暫く黙り顔を埋めたまま小さく溢し始める
「2人目できてから、ボクよりアンジュばかり構うから…寂しいよ」
「ああ(セイジュ構いすぎると抱きたくなるからその分アンジュ構ってたなんて絶対言えねぇわ)」
「ボクよりアンジュに愛してるって言ってるでしょ」
「…すいません。最高にベッラな天使なんでつい」
「〜〜ッボクだって、もっとアキラと…いちゃいちゃ、したい…よ」
羞恥を隠さず顔に出しそのままアキラを上目で見上げた
アキラが直視した瞬間。早口で暇してるアンジュに声をかける
「ーーアンジュ。耳と目塞いで」
「はぁい」
「ちょ、あ、まだアンジュが、んんン」
有無言わさず言葉を奪う。しっかり閉じられたアンジュの目を片手で覆いながらセイジュの舌を絡め深く深く絡めとる
相変わらず小さな舌は辿々しく荒く全てを奪う動きに翻弄されくぐもった声をあげるしかできない
アンジュにのせてた手を外しアキラの首へ回せば隙間無く触れる唇が弧を描いたのがよくわかった
そのままそっと離され顎を伝う唾液のラインを舐め取られる
荒い息のまま再び胸板に顔を埋めればかなり機嫌が良い声色で一言
「…ごちそうさま」
アンジュに楽にして良いと指示
アキラが発した言葉に不思議そうにアンジュが聞き返す
「あきらなにたべたのー?おいしい?」
「セイジュをつまみ食いしただけ。美味いぜ?アンジュにもあげるわけにはいかねーな」
「ばっ!ばかアキラ!恥ずかしいこと言わないでよっ」
「?なんでせいじゅはかおまっかなの?」
「…何でだろうなぁ?」
意地悪い声と素直に聞いてくる声
どちらにも返せずにアンジュを抱き締めることで黙秘を貫く
小さな手と大きな手がセイジュの手を握り同じ笑顔で言われた言葉に沸き上がる幸福感
目の奥も熱くなって、幸せで仕方なかった
「愛してるよ。セイジュ」
「あいしてるよ。せいじゅ」
「ーーボクだって、愛してるもん」
次にうまれる子はどんな子になるかな
どんな子が産まれても皆で同じ言葉で歓迎してあげよう
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