黒子のバスケ
□オリオンのままに 27Q
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帝光中のとあるミーティングルームにて秘密の作戦会議が秘密裏に行われていた
メンバーは3人
講師のアキラと恋愛プロフェッサー(腐)黒子
そして灰崎一筋の剛田デラックス…ごほん相撲部のエース剛田くん
今日も今日とて剛田くんによるアプローチの報告と改善策について奴等は話し合っているのだ。主に部活終了後にマジバで開催しているのだが今日に限って相撲部の休みと重なる為時間を繰り上げて開始している
ちなみにバスケ部は絶賛部活中。所詮サボリをしているのだが理由があっての行動なだけでどこかの蝉厨の突発性蝉捕獲衝動によるサボリとは違うのだ。この2人はどうどうと胸を張って部活をサボっているのをどこか誇らしげにしているように見えるのは気の所為ではない
世の中の女子は女子会という名の恋愛相談で済ますらしいが非凡系男子のアキラ達は例え恋愛だろうと全てに全力投球だ。たかが恋愛話だろうと部活をサボリ会議を開く。時には裁判沙汰に発展という本格的に熱論を繰り広げる
1人が提案をすれば他の1人が
「異議ありッ!」
…某裁判の決め台詞とポーズで席を立ち静かに座り反論をする。逆もまた然り
しかしながらこうも熱論した結果選ばれた案も実際実行してもいい結果に結び付かないのが現状だった
折角何度も案を立ててくれてるのに上手くできなくてゴメン、と剛田くんが辛そうにデラックス体系を揺らし訴えるのに心も体も揺さぶられ幾度も会議を開き必死に策を練り続けた
本日も白熱した討論の末編み出した幾つかの案をホワイトボードに綴る。ペンに蓋をしてコンコンとボードを叩き視線を集中させアキラは一点の曇りの無い黒縁眼鏡越しに強い瞳でメンバーの強い瞳を見てニッと笑う
「諸君。今回は心のATフィールドが強過ぎる灰崎を攻略する為に…この手で行こう!」
ばぁんっ
大袈裟な位ホワイトボードに平手を叩き付け鈍い音が一瞬響く。反射的に背筋がビクつく大音量だったがその場に居たメンバーは誰一人怯える事無く平手の横に赤花丸がついた案を見つめた
恋愛(腐)プロフェッサー黒子はホワイトボードでは無く普段掛けていない黒縁眼鏡を着用してるアキラをじぃっと独特の澄み切った水色の瞳で見つめる。その視線に気付いたアキラがへらりと笑い手を振るとスッとホワイトボードへと視線が移る
「今までストーカー予備軍みたいなことばかり起用してましたから新鮮でいいんじゃないですか」
アキラ「靴箱に「EATYOU(喰ってやる)」のラブレター送ったり朝の挨拶に尻タッチをさり気無く入れたりしたねー!剛田くんノリノリだったから見てて楽しかったけど」
「灰崎くんの剛田くんへの警戒心が尋常じゃない位跳ね上がったのは誤算でしたね。赤司くんにアキラくんがやったならそのままベッド行きな展開なのに…3次元は難しいですね」
「え?黒子くんは恋愛プロフェッサーだからこういうの得意なんじゃ…」
「2次元のですから(キリッ)」
「2次…?」
純粋な剛田くんをじんわりと2次元の毒を侵食していこうと拳を握る黒子をアキラはハグする事で拘束し邪魔をする。黒子がいきなりのハグに石のようにカチンコチンに固まるのを放置しアキラが嬉しそうに犬のように擦り寄るのを剛田が珍しそうにぽかんと見てる
黒子は所詮初、に当てはまるのだろう
髪に触れられるのはアウト。問答無用で裏拳か必殺技:固まるが発揮される
肩に偶然ぶつかるのはぎりぎりOKなレベルだが手を握り肩を抱かれる&ハグ…などアキラの専売特許のコミュニケーションを悉く苦手としてる様だ
石の様に固まっていた黒子がハッと我に返り反射的に擦り寄るアキラの頭を叩き落とす。情けない声を出してアキラが黒子から離れ痛む患部を撫で文句を垂れる
「もー…征ちゃんにはよくてボクは駄目って何なのテッちゃん」
「赤司くんは離れるタイミングが絶妙なんです。アキラくんは長過ぎるんです!」
「そんなのフィーリングだから知らないよ…征ちゃんばっかズルイなぁ」
ぶちぶち文句を言いながら掛けてる黒縁眼鏡を外しスッと胸ポケットに仕舞う様子を見てた剛田が不思議そうに声に出す
「藍澤くんは眼鏡を掛けていたけど視力悪いの?」
「眼鏡…ああコレ」
もう一度眼鏡を掛け楽しそうに笑顔を振りまくアキラに黒子がキラリと瞳を光らせる
「視力は2,0越えてる筈だよ」
「将来の夢はマサイ族ですね」
「マサイ族に失礼だからね。むしろボクに失礼だからね」
「そうですか?」
「……ちなみにいい子の剛田くん。この眼鏡は伊達眼鏡なんだって!読書する時とかかけてるとエロく見える特殊アイテムだから今度灰崎にかけさせなよ」
「え、エロく…」
黒子やアキラとは違い心の底から純粋な剛田は普通の思春期の中学生らしく照れた様子でエロい単語に反応する
互いに違う意味で腐に染まってる2人にしてみれば本来の中学生ってこんな甘酸っぱい感じなのだと感慨深い
照れてる剛田をきょとんと見てる2人の視線に気付いたのか慌てて視線の意を聞き返し懐かしそうに深みのある表情をアキラが見せた
「エロい言葉だけで照れちゃう純情さなんて体験した事なくてね。新鮮で剛田くんは多感な年頃の中学生だなぁって…ね、テッちゃん」
「アキラくんとはちょっと違うんですけど純粋もいいネタですね。アキラくん達は18禁担当で剛田くんはピュア担当でいいですね!」
「あ、藍澤くんはなんで18禁担当なの黒子くん」
「そんなの脱童貞だからに決まってるじゃないですか」
「僕等まだ13才なのに!?」
「ちなみに剛田くんの想い人も卒業してますよ?」
「後ろはまだなら大丈夫」
「…剛田くんはタチだ。絶対そうだ。ボクと同じポジションだ」
純粋の裏に秘めてあるタチ要素を垣間見たアキラは恐る恐る呟く。タチって何、と黒子に聞く剛田に嬉々として返答する黒子の姿に彼の腐逝きは覆る事無く決定された
「なんて言うかこういう猥談めいた話題をするとムラムラするのはボクだけ?」
黒縁眼鏡着用のアキラをジト目で見て淡々と返す黒子はどこか不機嫌に見えた
「なら赤司くんと眼鏡プレイした動画下さいよ。最近くれないじゃないですか。倦怠期ですか」
「まさか。体触らない日はないよ?毎日のキスは普通にしてるし」
「…どうせその眼鏡も赤司くん着用済みのプレイ済みなんでしょう?」
「えへ。録画する余裕なんてなかったんだ。オネダリ最高」
「キミは!何故!人事を尽くさない!」
怒りのあまり緑間が乗り移った黒子だが平気で惚気を振り撒くアキラにはまったく効かない。ニヤケながらモザイク物を思い返してる姿をギッと睨みつけ黒子が困った顔をしてる剛田の必死の形相で頼み込む
「剛田くんは僕にネタを忘れずに提供してくれますよね!?」
「えぇ…!?取りあえず灰崎くんを落とさない限りなんとも言えないよ」
「アキラくん!お得意の頭を使って絶対に成功する案を作ってくださいっ」
「他人任せなのね」
ニヤケを止めたアキラがホワイトボードに向かい合い花丸がついた案以外を専用黒板消しで綺麗に消す
黒板消しを元の場所に戻し黒子と剛田の元へ戻り近くの机に腰を下ろすのを黒子が咎める。なんとも親のような態度をたまに見せるのだから不思議な感覚だ
「行儀悪いですよ」
「まぁまぁ。気にしないで」
「…まったく」
剛田は2人のやりとりを見つめながらふと疑問に思った事を呆れ返ってる黒子に投げかける
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