黒子のバスケ

□オリオンのままに 20Q
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カリカリカリ…


抜き打ちテストin数学






うん。今ねテスト中なんだよ

白髪混じりの眼鏡かけた偉そうなオジサンが割とえげつない問題を出題してるテストを解かせられてるところでね




この前TV見た時にのび太くんがやってた鼻と口の間に鉛筆を挟む奴。あれ見てて凄い感動して今日ボクもシャーペンで挑んでみてるところなんだ!








え?テスト?





そんなのもうとっくに全部解いちゃったから暇なんだよ
中1の4月末に何故高校でやる筈の連立方程式がでてるんだろ。皆頭抱えちゃってるじゃんねぇ









…征ちゃんは違うみたい。普通にピンと背筋伸ばして微動だにしてない。座り方の模範か



さすがだよ。でもあの背中こう、下からツゥっとなぞりたくなる…怒られるからやらないけど








周囲は難問に頭を抱えてる横で呑気にのび太くんごっこをしているボクを見つけた先生の眼鏡が光り思わずシャーペンを床に落としてしまった


しかめっ面したまま近寄り落ちたシャーペンをボクの机に置いて一睨み。そのまま教卓に戻る
















置かれたシャーペンをくるくると回しペン回しをしながら頬杖をつく










(あれ絶対友達いないね)










先生に友達の有無を聞く気にもならず全ての解答を埋めたテストを裏返しだらんと体から全ての力を抜き椅子に寄り掛かる






背凭れに頭が支えられるくらいだらしなく体から力を抜く







後ろの席の人がふと前を見たら今までいた筈のクラスメイトがいなくなってるんだからビックリしちゃうね


自然にボクの足が普通に座ると届く筈も無い征ちゃんの足まで簡単に届き音沙汰も無く征ちゃんの両足に器用に自分の足を絡めた













ビクッ












征ちゃんのピンと伸びた背が、肩が震えすぐに治まる








えー?リアクション薄い



驚き過ぎて肘を机に当ててしまい痺れましたー…位のリアクションが欲しいよね








絡まる足を引き抜こうとすると征ちゃんの足に力が籠り放さない様に意地悪をする




驚かせた仕返しのつもりかな。随分可愛いらしい仕返しだね











テスト中だというのも忘れてニヤケてるとふとボクの顔に影が覆い、見ると先生の真顔がすごく近くにあり驚いて立ちあがりドアに避難











バクバクと煩い心臓の音の理由は決してときめきなんて甘い言葉では無い


眼の前にいきなりオッサンの顔があったら驚くに決まってるでしょ。もー…ないわ、本当に無いわ。ありえないよ









ドッと疲れた顔をしてるボクに先生から冷水のように冷たいお言葉が掛かる










「藍澤。やる気ないんだったらさっさと教室から出ろ。テストも途中放棄のままの成績にするからな」

「りょーかい。じゃこのまま保健室にでも行ってくるよ」

「…」








いつのまにかカリカリとなってたBGMは消えてボクと先生の険悪なムードに呆然と見てる皆がいた。先生はボクのテスト用紙を回収し固まってるのを視界に入れて教室を出た

征ちゃんが溜息をついていたのが扉を閉じる寸前に聴こえ、少し面白かった








「…はぁ」












このまま保健室行くのもいいんだけどなんだか今日はそんな気分じゃないなぁ

ズボンから携帯を取り出し時間を見ると2時間目が始まってまだ10分足らずしか経っていない。携帯をしまいふと、窓から見える青空に目を奪われ止まってた足を屋上へと向けた









その先に何が待ってるなど知りもせずに…














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