黒子のバスケ

□オリオンのままに 14Q
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土日は基本的に部活で休みなんて無いのがほとんどだが今週は学校側の都合で全部活が活動禁止となりたまの休日を堪能していた黒子は携帯にメールが来ていたのを眠気に負けてスルーしてたのを思い出しメール画面を開く






土曜の朝のアニメを見終わり絶賛家で1人きりな状態で好き放題同人誌だって見れるし至福の時間を堪能してる黒子が送信相手の名前を見て固まる



アキラくんから…?

4時とか新聞配達の人が必死にチャリを漕ぐ時間帯じゃないですか

あ、画像つき…これは、もしや…ネタ提供!!?






カチリ

腐男子モードのスイッチが入りました






_________


04:12

TO黒子テツヤ
FROM 藍澤アキラ




>これすごくない?
これでもボクらは中1です←



____________







ワクワクとそわそわと画像を開き「ぶはッ」と悶えソファでごろんごろんとしているうちに床に落ちるがそれどころじゃない






「なんですかなんなんですかこのゴムの山サイズほとんどがLとSっておかしいでしょww」







おっといけない。除草剤をまかなければ


突っ込みどころがたくさんある。だがとりあえずSDカードに画像を移して僕の天使フォルダにまたひとつ卑猥な写真がおさまった


サイズがあまりにも違うゴムを普通にカゴに入れてる所が僕的にはツボでしたね。あ、涙でてきた





じーっと写真を見てこれを買ったということはもしかして一線を越えたという事か?と脳裏で過ぎりガバッと身を起こしそばにいたキノコの抱き枕にヘッドロックをかけ歓喜を枕にぶつける








「赤司くんが喰われたんですか。百合じゃなくて固定カプだったりするんですか。下剋上はどうなんですか神さまあああああ」






思わず叫んだ途端__










ぴぴぴぴぴぴっぴぴぴぴぴ






初期設定の着信音が大音量で響きびくっとキノコの抱き枕を反射的に床に叩きつける

キノコに罪は無いが世は無常なのですよ



って今はどうでもいいんですけどね






「神さまコール?え、この世の腐の神さまからの電話ですか!」





妙にテンションが上がる僕は電話相手の名前も見ずテンション高めの声で思わず話しかけてしまった







「はいっ」

「……黒子か?本当に黒子か?」





電話相手は赤司くんでした


NOT神さまYES天使だったわけです


それにしても赤司くんの声が訝しげに「お前本当に黒子か?」と何度も聞いてきます。黒子は僕です

現在は腐男子モード全開ですからテンション高いんですよ!

そう言うと「ああそうなの」とちょっと掠れた呆れ気味のアルトが聞こえニヤニヤしてます






「はい。キミの旦那さんからの写メにテンション上がった黒子です」

「だ、だんなっていうな!」

「別に一線越えた関係なら恥ずかしくもないでしょう?どんだけシャイですか」

「んな、なんで越えたって知って……ああもういい。黒子だからなんでも知ってるんだ!ふんっ」





アキラくんの嫁がいじけてしまいました。「ふんっ」とかかわいいですね!

照れ隠しでぷいっと顔背けるタイプですか!強気受けで今度支部で漫画あげましょうか


あまりの悶えに空いてる手が震えます。同人誌に手を伸ばしたら納まりました…僕もう同人誌ないと生きられないです


だからネタ下さい(真顔)






「で赤司くんは僕に用事があったんでしょう?どうしたんですか」




そう聞くといつもの彼らしくなく言いづらそうに言い籠り「…どうしよう」と本気で迷ってる声が聞こえ首を傾げる






まさかの体の相性悪かったんだ…これからどうしようって思ってるんだよ…


なんて言ったら…!






冷や汗が出始めた僕は必死に赤司くんに「別れるのは早すぎですよ!」と言い縋ればあっちがびっくりして「別れないよ!」と間髪入れず返ってきて安心した


別れの話じゃないならいいにくいことなんて思いつかないんですが…なんでしょうかね







電話越しに照れと拗ねた様な口ぶりが伝わる









「…簡単に別れる様な奴となら最初から付き合わない。それにアキラは俺を離さないって何度も言ったから…俺も離れないよ」











赤司くんの声はとろけそうに甘くて聞いてる僕がチョコならどろどろに溶けているだろう

そう思う一方でアキラくんを本気で想ってる赤司くんに感謝をしたくなる。アキラくんを小学校からよく知ってる身としては既に親心が芽生えているのだと思う




アキラくんが僕を神聖化する様に僕は彼を自分の息子の様に思えるということだ




親戚のおばさんが10年ぶりに会うと「こんなに成長したのね」と喜んでくれるのと同じようなもの。あのアキラくんが人を愛せる様に変わったのを間近で見て喜ばない筈が無いのだ






その相手が赤司くんで。赤司くんもアキラくんを本気で想ってると口にした







赤司くんでよかった

彼なら愛した相手を裏切るマネはしないだろうから任せられる

もししたら僕自ら手を下したって構わないんです。とんだモンスターペアレントだと内心自嘲気味に笑う








「赤司くん。キミがアキラくんと結ばれて本当に僕は嬉しいんです。感謝しているんです、無表情の下で」

「せめて表面に出せ」

「善処します」

「…はぁ。まぁ黒子の無表情の下は常にニヤついてるということだな。いい意味でも悪い意味でも」

「ちょっと。悪意しか感じない言い方止めてください!僕にもデレを下さい!」

「善処します(にっこり)」







「善処します」
「考えます」
「また今度」

答えは全部「いいえ」ですって国が言ってました。活用したらブーメラン返しで返ってきました。いたい



この小悪魔!デレはたまにお零れで僕に降ってくるようです



茶化し合う談義が落ち着けば赤司くんも覚悟を決めたのか妙に緊張した声色で口を開き始めその内容に僕が思わず鼻を押さえます

鼻血がでてもおかしくないんです。むしろ出ろと命令します







「その、黒子。お前が書いてる高くて薄い本だったか?あれで勉強したいから数冊持ってきてくれないか?」




勉強?

ハッ。まさか赤司くんも腐の道に…いや彼は僕と違う意味で入ってるようなものですしある意味同類なのか…際どい所ですね





「あの…我が家にはR指定物しかないですけどそういった意味の勉強ですか」

「ッう、ん」






……喘いだ?喘いでないんですか?

紛らわしい声出さないでください眼がシャキンとなったじゃないですか




赤司くんの話をよく聞けばキスの息継ぎやら奉仕系をくわしく分かりやすく聞きたいらしいようですが…自室にあまり無いと思うんですよね





確かめる為に自室にひっそり隠してある本棚を探りますが…キス系が少なくて奉仕系が充実してるって凄いことですよね!


あとはアッ―!系です。本当のR指定ものが大量です。何冊か持って行ってあげましょう

自筆以外の本も少しタメになるかと思うんで持っていきましょう





…薄くてよかったです。近くにあったリュックサックに入れた所で赤司くんの眠そうな欠伸が聞こえ動作をとめる





「赤司くん寝て無いんですか」

「…いや数時間寝たよ」

「あとはアキラくんといちゃいちゃしてたんですか」

「うん……、!い、いまの嘘!嘘だからなッ」



眠いとポロッとネタを落としてくれる純粋さが悶えポイントプラス10点です

20点になれば僕の自筆の同人誌を贈呈します。皆さんがんばりましょう




「ところでこの本どうすればいいですか?学校で渡せと言われた日には僕は自爆しますけど」

「せめて誤爆にしとけ。学校じゃなくてアキラの家に持ってこれるか?ちょっと俺は迎えに行けないから場所教えるけど…」

「住所教えてください。すぐ向かいますから」





さらさらとメモをとりあの高級マンションかと分かればもう大丈夫

セキュリティも解除しておく様に管理人に伝えておくと言われ了承の意を返しそのまま通話を切る





リュックを肩にかけてふと勉強机の上に何年も置いてある写真立ての1枚を見て過去から現在へのアキラ自身の変化にふ、と笑みがこぼれる







「…いまのキミはこんなにも笑えてるんです。アキラくん」







過去のキミへ届けばいいと思いながら瞼を伏せ部屋を出る






黒子が見ていた写真。それは仲良くなりたてで小1と名前が刻まれたひらがなの名札を胸元につけた少年2人



1人はぽやっとした水色の大きな瞳のまま無表情にレンズをまっすぐ見てる。水色の髪は光を反射して神々しい雰囲気だ



名前は『くろこテツヤ』と書かれている




もう1人は年の割に凛とした藍色の瞳で疎ましげにカメラを睨みつけている。藍色の髪は白い肌によく映え写真越しに伝わる雰囲気がとても大人びて見えた




その子の名前は『あかしアキラ』と書かれている













__藍澤アキラがその子と同一人物だと誰が思うだろうか



雰囲気も名前もなにもかもが変化せざるを得ない状況までのカウントダウンはもうこの写真の頃には始まっていたのだ









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