■テイルズ■
□ティータイム
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「この戦いが終わったら、俺の特製グラタンをお前にも食べさせてやるよ」
正直、嬉しかったなんて、絶対に口には出来ないが。
ただ懐かしいと思った。
あの頃が。
まだ俺がバチカルにいた頃、幼なじみとして一緒に過ごしていたあの時が。
「請け負った」
親友だと、俺が勝手に思っていただけに過ぎないだろうが。
大切な彼の頼みだから、断れなくて。
俺はそう答えた。
まったく世話が焼ける。
被験者が守らなければならないなんて、なんて愚かなレプリカなんだ。
だけれども、ヴァンに刺されたその瞬間、驚くほどに心は穏やかだった。
「アッシュ!!」
煩い。
そんなに叫ばなくても聞こえている。
そんなことより、今は戦いに集中しろ。
てめぇがそんなんだから、俺が守らなきゃいけねぇんだろうが。
自分の身くらい自分で守れ。
屑が。