■薄桜鬼■
□軌跡想(土方×斎藤)
1ページ/3ページ
土方さんが死んだ。と聞かされたのは、会津で激戦が繰り広げられていたある春先のことだった。
そしてそのすぐ後、新政府軍の勝利でこの長きに渡る戦争に終止符が打たれた。
函館に渡った土方さんは最期まで隊の前線で戦い、敵の流れ弾に当たり亡くなったのだと聞いた。
俺が目指してきた大きなもの。
海も山も虹も空も新選組も。
憧れだった。
俺はとてつもなく大きなものに惹かれていた。
それは勿論、新選組を支え導いていた土方さんや近藤さんも同じで。
それらを失った今、俺はどうすれば良いのかただぼんやりと赤く染まる空を見上げながら考えていた。