甘味処

□会いたかった。
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それから、楓ばあちゃんに会い
しばらくは居候することになった。

「かごめちゃん、お風呂に行こうよ」

夜、珊瑚ちゃんが誘いに来てくれて
私たちは、近くの温泉に向かった。



「ふー…気持ちいい…」
「夢みたいだよ。また、かごめちゃんに会えるなんて」
「私も。もう、会えないと思ってた」
「井戸の向こうの世界と、行き来出来るんだろ?」
「……ううん」
「え!?じゃぁ、もう戻れないの…?」
「うん…」
「そうなんだ…」

そう…
井戸は再び、繋がらなくなった。
私はきっと、もう
ママにもじいちゃんにも
草太にも、友達にも会えない。

でも…

「薄々、そんな気はしたの」
「え?」
「井戸が繋がったとき、今までと違う感じがして。どちらか、選ぶしかないんだなって」
「そっか…」
「でも、それでも」

それでも
私は、犬夜叉に会いたかった。
みんなに、会いたかった。

「だから、後悔はしてないんだ」

これが、私の望み。
欲しかった、未来だから。
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