駄文

□離婚原因第1位
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「雪男、俺達いつ離婚してもおかしくないらしいぜ。まあ、結婚してないんだから離婚というのも変だし、別れようってのが一番合ってるかな?」

「に、兄さん。急に何言い出すの?なんで僕たちが別れてもおかしくないんだよ。こんなに愛し合ってるのに。」

「えっとね…ほらこれ。現役弁護士が担当した離婚の原因ランキング出してるんだけど、まず10位。『家庭を省みない』お前俺が何度言っても、連絡忘れるし、俺が夕飯作って待ってるの知っていて、祓魔師仲間と食べてくるし。まあ、仲間と食うのは仲を深めるために必要だと思うからそれはいい。ただ、それなら行く前に連絡しろ。夕飯要らないとか、帰り遅くなるとか、おまえは食事用意する奴の苦労顧みなすぎる。…何か反論は?」

「…ないです。…ないけど、兄さんだって僕が頼んだミネラルウォーター忘れたことあるじゃない。僕だけ責めるってそれはひどいと思うけど」

「俺のたった一回の買い物忘れを、おまえの再三にわたる連絡忘れと一緒にするな!ほんとこういうとこでも思うけど、おまえと俺って性格合わねえよな。」

「うん。まあ、それは僕も感じるときはあるよ。」

「俺たち性格合わねえってか?」

「うん。兄さんがもっと素直になってくれればいいんだけどね。」

「それそっくりそのまま、おまえに返すわ。…で次第9位『暴力を振るう』」

「え?僕兄さんに暴力振るったことないでしょ?僕が振るわれたことはあるけど。」

「人を気を失うくらい殴っておいて、それをいうか…まあいい。なら、暴力はお互い様ということで、これも反論ないだろ?で次…」

「まだあるの?!」

「おう、第6位『性的不満』」

「なんだ、兄さん足りなかったの?だったら言ってくれれば僕はいつでも…」

「ちげえよ!『回数が多い』ってのも、離婚原因なんだよ。お前の場合、さらにそれに『しつこい』『嫌がる言葉を言わせたがる』『勝手に思い込んで暴走する』って次の原因にも関係する事柄が含まれてるけどな。」

「次の原因?」

「おう、第5位『精神的虐待』」

「え、え?精神的虐待?」

「「誰のおかげで飯が食えているんだ」とか「悔しかったら俺と同じだけ稼いでみろ」とか、相手が家事に励んでることなど顧みないで、自分の有利点で相手の弱点を追及したり、上から目線で蔑むのが、当たるんだ。覚えがないとは言わせねえぞ。」

「…ぼ、僕は別に「同じだけ稼げ」なんて言ってないけど…」

「今のは一例。お前は、俺に「尻軽」だの「淫乱」だの言ってくれたよな。俺何にもしてないのに。そういうのも『精神的虐待』ってんだぞ。頭いいのにほんとサイテーな奴だぞおまえは。」

「…だ、だって、兄さんが、他の人に笑いかけたりするから、僕がどれだけ苦しんだかわからないでしょ?」

「おまえが、女子に囲まれてるのを、俺がなんとも思わなかったと思ってたんだ。」

「え?え?に、兄さん。じゃ、兄さんも嫉妬してくれたの?僕だけじゃなかったの?」

「あまりにおまえの一方的な言い分にあきれて、もう嫉妬も馬鹿らしくなったけどな。お前は好きにすればいいよ。その代り俺も好きにするから。」

「だめだよ兄さん。それは僕が許さない。」

「恋人に信じてもらえないなら、信頼関係がないなら、それはもう恋人じゃないだろ?」

「し、信じてないんじゃない。僕が自分に自信がなくて、兄さんを取られそうで不安になるんだ。」

「自分に自信がないやつに、信じてないんじゃないなんて言われたら、それこそ信じられてない気がするけどな。そうか、そういう意味では、第2位の『異性関係』ってのもあたるか?」

「僕は誰にも手を出してない。それはないよ。」

「俺だって、女子はもちろん、男子にだってだしてねえよ。なのにおまえが勝手に思い込んで、『性的不満』と『精神的虐待』と『異性関係』合わせた離婚原因に発展させてんじゃねえか。」

「ご、ごめん。兄さんごめんなさい。僕のこと嫌いになっちゃったの?」

「……第1位『性格の不一致』これはお前も文句ねえだろ。さっき認めたんだから。」

「そ、そんなの最初っから解ってた事じゃない」

「うん。兄弟だからそれでいいんだけど、恋人はそれじゃ不味いだろ?だから別れよう。」

「い、いやだ!僕は認めない。僕が悪いとこ直せばいいんでしょ?連絡もちゃんとするし、Hもしつこくしない。兄さんが嫌って言うことはしないし、言わせない。女の子たちは、本当に僕は嫌なんだよ。だけど纏わりついて来て、払っても払っても寄ってくるんだ。」

「言ったろ?俺もう嫉妬も馬鹿らしくなったって。女子はお前が好きにしていいよ。その代り俺に文句は言うな。」

「だから、それは僕は許さないって言ってるじゃない。」

「おまえ、自分は払えないことぐちぐち言い訳して、俺だけ拘束するっておかしかねえ?しかも信じてないんじゃないとか言いながら、きっちり信じてねえじゃん。」
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