TERRA FORMARS
□探索1
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私の人生なんて、くだらなくて、つまらなくて、必要なかった
何度死にたいと思ったか
何度消えてしまいたいと思ったか
けれどその度私は彼を思い出して生きる意味を見出してきた
『ジョー・・・』
スヤスヤと寝息を立てる彼を見て微笑みがこぼれる
この人は、やはり生まれるべくして産まれた神に近い生物なのだ
自分とは違う
存在の価値が、違う
『愛してる』
眠る彼の耳元で熱っぽく囁く
ピクリと動いたジョセフの手を見て見ぬ振りをして、シャワーでも浴びようと起き上がろうとした体が傾く
「随分可愛らしいことを言うね」
『やっぱり寝たふりしてたのね』
「オレは睡眠は進化の過程で棄てられたよ」
『そうね・・・』
頷いて、体をまさぐるジョセフの手を叩き落とす
「つれないね」
『昨日たくさん付き合ったでしょう?』
クスクスと艶かしく笑えば、ジョセフの喉が鳴る
「我が妹ながら・・・男を煽るのがうまいね」
再び体を這う手を受け入れて、シェーレは笑う
『相変わらず体力底なしなのね』
諦めたように笑って、自らジョセフに口付ける
「ん、ふふ・・・なんてったって''人類の到達点''だからね」
その言葉と共に、シェーレとジョセフの身体はシーツに沈んだ