迷路
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……今日の晩御飯は何にしようか。
家へと続く道を歩きながら、遥菜はそんなことを考えていた。
共働きの両親に加え、毎日日が落ちるまで熱心に部活に励む姉。自分はといえば半帰宅部化となった軽音楽部に所属しているため、自然と家事は遥菜の担当となっていた。
『よし、今日はグラタンにしよう』
家に着くと同時に決まった晩御飯と、明日の弁当諸々の食材を買うべく遥菜は制服から私服に着替えてスーパーへ向かった。
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『明日は体育があるのか…やだなぁ…』
寝る前の明日の授業の用意をしている時、時間割表を見て溜息をついた。
遥菜は頭はまぁ普通だが、運動神経はどうしたことやら走れば1回は転ぶし、スタミナなんてあってないようなもの。
つまり運動オンチ、なのだ。
『憂鬱だ……』
また一つ、溜息をついてから電気を消して布団に潜った。
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