機械の惑星


□来年も、ずっと、ずっと…
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12月31日



今日は1年の終りを迎える日

この日、ホワイトベースには様々なMSが集まり
ごちそうを揃えて大晦日の忘年会をしている


「ガンダムさん!
Zとプラスとzz連れてきたぜ〜!あ、あとメタスちゃんもな〜」


「ガンダムさーん♪
弟達も連れてきましたから今日はめいっぱい楽しみましょーねw」


「ガンダムさんこんばんは!
今日は僕らを誘ってくれてありがとうございます…!!」


Z組、GP組、そしてSEED組のメンバー達が
一人、また一人と
ホワイトベースのリビングに続々と入ってきてガンダムとアレックスに挨拶を交わす


ガンダム達もその明るい声に笑顔でお返しし、
リビングに来たMS達をテーブルの前に誘い座らせる


しばらくすると
テーブルの上にはアレックスとメタス、そしてイージス達の作ったオードブルやおせちが並ばれ
皆、喜びながら美味しそうに料理を口へと運ぶ


「オイプラスッ!!
そのエビ天オレが喰おうとしてたんだぞ!!
勝手にバクバク食うんじゃねぇよっ!!」


「てやんでぇMkU!!
ケチケチしてんじゃねぇよ!
こういうエビ天とかの御馳走は、まず江戸っ子が先に喰うもんだろ!」


「そんなん聞いたこと無いわボケェっ!!;;」


食べ物の事で睨み合う
MkUとゼータプラスをアレックスは苦笑気味になだめる


「まぁまぁお2人とも;;
そんな焦らなくてもまだ料理はいっぱいありますから…」


しかし、いまだに箸を片手に火花を散らしている2人…
まるでおやつを取り合う子どものようだ
いや、子ども以下か…

その様子に気づき2人を見ているZZ


「ん?なんだよお前ら?
食わねーならオレが貰っちゃうぜー!」


そう言い睨み合う2人の間にあるエビ天をひょいっと口にいれる
瞬間、マークUとプラスは眼を見開き驚いて
鬼の如く激しく怒りだす


「テメェェェッッ!!!ZZァァァァァァァァァァァァッッ!!!!!;;」


「俺の…ッ!!
俺のエビ天ををぉぉぉぉぉぉぉぉッッ!!!!!;;」


「わー!何だよ何だよ〜☆」


そしてテーブルの周りをグルグル追いかけっこするZ組の馬鹿3人…
Zはそんな3人には眼もくれず、黙々とカニの身をほじくっていたのだった


「ったくあの馬鹿トリオは…
大晦日くらい大人しくできねぇのかよ?」


そう呟くのはSEED組の席に座るバスター
日本酒を片手に横目でみている…

その横ではデュエルが膝の上のバクゥにオードブルのハムを食べさせていた


「まぁな〜、こうしてあの人達見てると…何かまるでアイツらみたいだなー」


「だなー;」


2人のその会話を聞いたフリーダムはデュエルに聞き返す


「え…?アイツら…って誰の事??」


「アイツらっつったら
あの3馬鹿トリオしかいねぇだろ??」


3馬鹿トリオという
その言葉にフリーダムは
あぁ…と納得する

するとデュエルはハッと思い出した様にバスターに聞く


「そういや…アイツら
今日ココに呼んでねぇよな…?!」


「大丈夫だっての
アイツらには今日の忘年会あるって事教えてねーし、
つーかそんな事言ったりしたらアイツらココに飛び込んで絶対暴れるだろ?
フリーダムとブリッツも言ってねぇよなー?」


その問にフリーダムは頷く


「うん、流石に…ねぇ…
皆で大晦日を楽しむ訳だしね?
あの3人は自分達さえ楽しければいいみたいな人達だし…;;
やっぱり危ないから…」


「流石フリーダムだな〜
ちゃんと撒いて来たか〜
で?ブリッツも言ってねぇよな?」


するとその問いかけにブリッツは青い顔をして
おどおどと動揺を見せる


「え…ッ?あ"…ぅ…;;」


眼を泳がせ、冷や汗がたらたらと流れている…

そのブリッツの様子に
不安を隠せないバスター達…


「は…?お前…;;
まさか喋ったのかよ!?」


「ち、違うでござるッ!!;;
忘年会の事は言ってないでござる…が…
その…来る前に3人に囲まれて…それで拙者恐くてつい、今からホワイトベースに行くと…っ;;」


「はぁっ!?;;
じゃあお前ホワイトベースに行くって事バラしたのかよ!!?」


申し訳なさそうに言うブリッツの言葉に
バスターは声を大にして怒鳴る
その声にブリッツはビクつき
涙目になってしまう
ただただ謝るブリッツの姿に哀れんだイージスは責められるブリッツを庇う


「まぁバスター…
ブリッツも悪気があって言った訳じゃないんだよ
それにホワイトベースに行くって言っただけでみんなでパーティするとは言ってないんだろ?
ならきっと3人も気づいたりしないはずだよ」


「いぃ…ッじすどのぉッ…ッ;;」


「で…でもよ〜…
アイツら妙に勘が良いからなぁ…;;」


「オレも、今にも乗り込んできて暴れまわりそうな気がする…;;」


口を揃えて不安を口にするバスターとデュエル…



ピンポーンッ

と…インターホンの音が鳴る


「はいはーい!
どちらさま〜?」


その音にガンダムは玄関まで走っていく…

すると玄関の前に居たのはWであった
何やらぞろぞろと連れてきているみたいだ…


「フン…言われた通り来てやったぞガンダム…
ウチの4人とゴッド組と∀、それにVとXを連れてきた」


「師匠っ!!年が明けたら一緒に初日の出を見に行く約束を忘れるなよッ!!」


「解っておる、そう急かすでないこの馬鹿弟子が」


「こんばんはガンダムさんっ!お正月のお餅はボクに任せてくださいね〜♪」


「よぅステイメンっ!
トランプ持ってきたから後で皆でババ抜きやろーぜーっ!」


「ちゃーすガンダムさーん!
もーお腹減ったから早速イタダキマスねwww」


メンバーがぞろぞろと集まってきてホワイトベースの中が余計騒がしくなってくる…

落ちるかもな…ホワイトベース

少し苦笑するガンダムの前にバッと割り込んでくるMS…


「うわッ?!お前たち!?;;」


「オイオイオイオイオ〜イッ!!!随分と楽しそうな感じじゃないの?えぇッ??」


「俺たちだけ仲間外れとかマジナシだぜお前ら!?
パーティはみんなで楽しまねーと!!なぁみんなぁッ!!?」


「うひょぉwwww♪
美味そうな料理がいっぱいあんじゃんかッ!!
全部喰っちまおうぜ〜!!」


割り込んできたのは
噂をすればの3馬鹿トリオこと、フォビドン、カラミティ、レイダーの3人…
悪魔のような笑みを浮かべながら辺りを見渡している…


「ゲ…ッッ!!お前ら…!!;;」


その3人気づいたバスターは驚きの声を漏らし
その廻りのSEED組のメンツも絶望のあまり、サァ…ッと血の気の引いた表情をしている…


「わぁーオードブルオードブルwwwぽん酢かけようぜぽん酢wwwwww」


ダバダァッッ


レイダーは持参していたぽん酢をSEED組のオードブルにまんべんなくかけた


「おー!!じゃあ俺はコレ入れよーっと!」


するとフォビドンは奥の冷蔵庫からガンダムの取って置きのみかん缶を取り出してきた…

嫌な予感を察する…



「ま…まさか…ッッ;;」



「わぁぁぁッッやめろぉぉぉぉぉぉぉッッ!!!!;;」




びちゃあぁぁッッ




ぽん酢まみれのオードブルの上空からさらにみかん缶を汁ごとぶっかけた…


全員唖然…としている…


そんな事はお構い無しで、悪魔3人はそのぽん酢とみかんまみれのオードブルをグッチャグッチャとかき混ぜる…
するとあれほどまでに美しく彩られていたオードブルは、あっという間にオレンジがかった濃い茶色をした不気味な異臭を放つモノへと変化した…


「ぼ…ボクたちの…」


「ごちそう…が…」


SEED組全員涙 3馬鹿馬鹿笑い



すると後からザワリッとした殺気を感じる3人
恐る恐る振り返ると…
そこには鬼神の如く怒ったイージスが、包丁を片手に立っていた…


「お前らはッ…
僕の芸術的料理に…ッッ
よくも…よくも…ッ!!!」


「や…やべぇ…;;
死亡フラグビンビンに立っちまってる…!!」


「にッ逃げるぞレイダー!!;;」


「お…おうっ!!!;;;」


「逃がすかゴルァァァァァァァァァァァァァッッ!!!!!!!」


ホワイトベースを駆ける3人を包丁を振り回し追うイージス…
いつもの冷静さを失い
暴れ回るイージスに全員が恐怖した…



「かくなる上は…
拙者が腹を切って御詫びを…ッッ!!」


「わぁぁぁぁッッ?!ブリッツ
ダメダメダメーッッ!!!!!;;」


小刀を構えるブリッツを必死に押さえつけるフリーダム…

この有り様を見て
バスターはため息を吐く…


「結局…こっちも騒がしくなっちまったな…;;」


「まぁ来年からは大人しくいきましょうって事で…
しっかし酷ぇな…;;
せっかくのオードブルが台無しだぜ…;;」


デュエルはそう呟き
恐る恐るオレンジがかった茶色をした液体を指に付け一舐めする…




「……あ、おいしい」


「ちょっっwww」





一方ガンダムは
ずっと気にかけていた事をWに尋ねる


「なぁ…リッキーは一緒じゃなかったのか…?」


「いや、待ち合わせの時間には来ていなかったが……?」


「そっ…か…」


軽く頷くとガンダムは
自分の席に戻って談話を続けた…



ガンダムが一瞬見せた哀しい表情を不思議に思いながらも
Wは気に留める事はなかった……



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