機械の惑星


□今日の始まり、昨日の終わり
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AM09:00
ベッドの上、奇妙な姿勢で眠ってるMSが1人…
ガンダムと呼ばれるその男はヨダレを垂らしながら
ヨガを超越した様なポーズでイビキをかいている

「お兄さーんっ!
もう朝ですよー
いつまで寝てるんですか〜?」

蒼い眼をしているガンダムに容姿の似たMSが
布団を叩く…

「んんぅ…あと5時間…」

「もぅ!!お兄さんっ!」

布団に潜ろうとするガンダムだが、そのMSの手が布団を剥ぎ取る…

「ひゃぁッッ!?!もう〜!!
イジワルしないでよアレックス〜」

急な寒さに襲われたガンダムがMSの名を呼ぶ

アレックスはガンダムの弟だ…
訳あって今まで生き別れになっていたが…
この天然な兄の面倒を常に見てくれる良く出来た弟だ…

「早く起きて朝ごはん食べましょう♪
お兄さんの大好きな納豆用意してますよ〜」

「むぅ〜分かったよ…
起きれば良いんだろ〜」

ガンダムはムスッとした様子でベッドから起き上がる
それを見てるアレックスは実に満足気な表情だ…


AM11:00
朝食を食べたガンダムは外へ遊びに出掛ける
今日は後輩のリッキーとブラブラする約束だ…


30分程歩き、待ち合わせの場所へ着いた…
リッキーは時計台の前で腕を組みながら待っていた…

「先輩ッ!も〜遅いですよ!待ち合わせの時間30分過ぎてますよッ?!」

何喰わぬ顔でやって来たガンダムを前にリッキーは少し怒った様に言う…
ガンダムは顎を指でポリポリかきながら困った様な素振りを見せる…

「え…?待ち合わせって何時だったっけ…?」

「11時からですッ!!」

しまった…

すっかり忘れてた、
家を出たのが11時だし…

ガンダムは目を伏せ苦笑いをする…

「じゃあ…リッキーは30分ココで待ってたの?」

「そりゃあ……
いつ先輩が来るか分からないですし…」

目を細めて自分を見ているリッキーを、ガンダムは可愛らしく思った…

「…リッキー…可愛い。」

「え…ッッ?!?」

ポツリと呟いた言葉に後輩は眼を丸くし顔を赤くしている…

「まるでハチ公みたいだなw♪」

「……ハチ公…犬…?」

今度は眼を点にしてポカンとする後輩にガンダムは
うん!と笑顔で頷く

その顔をリッキーは
グーで殴ってやった…

ガンダムの自業自得だが…

PM00:30
2人で街をブラブラする…
特に目的地が決まっている訳ではないが、とりあえずブラブラする…
歩きながら友達のMSの事や、昨日観たテレビの事、
世間話とかをしたりするのが楽しいんだ…

自分の話で声を上げ笑うリッキーを見ると嬉しい…
リッキーもオレを笑わせようと面白い話をする…

そんなの電話で話せば良いかもしれないけど、
オレはリッキーの顔も見ていたいんだ…
リッキーに会いたいんだよ…

誰にも言わないけど
リッキーはオレの一番の友達だから…だから……

オレがオカシイのかな……??

「…輩…先輩ッ!」

我に帰り声の方向を見ると、
目の前にリッキーの顔が…

「わぁあぁッッ?!?
なッ!なんだよリッキー?!」

自分を見つめるリッキーに
驚いたガンダムは、焦ってリッキーから距離を離す

「どうしたんすか…??
さっきから返事が無かったんすけど…なんかボーッとしてましたし…」

心配そうな顔でこっちを見つめる後輩…

「…んーんっ?
お腹へったな〜って
なぁなぁ!コンビニでおでん食べよっおでん!!」

「も〜…先輩ったらー
心配して損しましたよー」

そう言って後輩はため息を吐いた…

うそ…
嘘っぱちだよ…

無理矢理明るくしてみせてんだよ…オレ…

リッキー

ホントはオレ

臆病者なんだよ…


臆病すぎてさ…

今日を生きるのも

呼吸するのも

怖いんだよ…

オレはそういうヤツ…


でもそんな弱い姿は誰にも見せない

死んでも見せない…

例え一番の友達でも

弟でも

誰にも見せたくない…


だからオレは笑顔を作る

でなきゃオレは泣くから…
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