虹宝の惑星

□イージス×ブリッツ(黒犬様からです)
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イージス殿は本日、ハロ作り。

イージス殿は本日、バスター殿達と遊びに。

イージス殿は・・・





拙者はイージス殿を見守る。

危険から護るため。

イージス殿を本日も見守る。

陰から 壁から。




拙者はイージス殿の背中を、後ろ姿を見ている。

それしか見ていない。

それしか見れない。

そうじゃないと見れない。


そのせいか拙者はイージス殿の顔を見ない。

見れない。

見ないようにしている。

見たいのに見れない。


イージス殿と目が合うだけで、それだけで恥ずかしくなってしまう。

顔を隠してしまう。

目を合わせないようにしている。

目を合わせられない。


緊張して、恥ずかしくて、照れてしまって。



それでも、

拙者はイージス殿が好き。

いつからだろうか。

護るべき者に恋をするなど。

これは許されるべきか。

許されないことなのだろう。

現に想い人と目を合わせられないほど、恥ずかしいという感情を持ってしまっているから。



想いを伝えたい。

でも伝えられない。

拙者のことをどう思っているか知りたい。

でも知るのが怖い。




拙者は・・・・どうすればいいでござるか・・・?





「どうしたんだいブリッツ?悩み事かな?」

そう言ってボーッとしていたブリッツの目の前にイージスは座る。



目があった。

真っ直ぐこちらを見ている。


「・・・・!!////」


ブリッツは少し遅れて、顔が少し赤らむ。

そして慌てて手で顔を隠す。


「ハハハ、まだ恥ずかしいのかな?」


イージス殿が笑っている。
笑っている顔を見てみたい。

けど目が合わせられない。

恥ずかしくて・・・緊張して・・・・

顔を上げられない。手を除けることができない。



拙者はなんでこんなにも恥ずかしがり屋になってしまったのだろう・・・・。



こんな拙者、嫌でござる



「ど、どうしたんだ、何で泣いてるんだい?!」

「へ?」


顔からは涙が流れている。
一つ、また一つと・・・・。

一粒の涙が落ちていく、頬に伝わっていく。



拙者、なんで泣いているのでござるか?



訳も分からず泣いている自分が恥ずかしくなる。

また涙が流れる。


「ブリッツ・・・・。」


イージスはそっとブリッツを抱きしめる。

突然の抱擁感にブリッツは驚きと恥ずかしさで
涙で赤くなった頬を、熱がさらに赤く染める。



「イ、イージス殿!?どうしたでござ・・・」

「それはこっちの台詞だよ。なんで泣いているんだ?言ってくれないと僕が困るんだよ。」


イージスはブリッツの耳元で囁くかのように話す。

優しく、慰めるように。


「拙者は、拙者は・・・」



喉から言葉が出ない。

伝えたいことが言えない。


嫌だ、そんなの嫌だ。

拙者は変わりたい。

声を振り絞る。

しゃくりあげるかのような言葉になってしまうかもしれない。

それでも・・・・


伝いたい。
言いたい。
自分で。
今すぐ。
今しかない。
今じゃないと。


言えない気がする。



「せ、拙者は、イージス殿をずっと見守ってきたでござる。ずっと、ずっと傍にいたでござる。

いつの間にかイージス殿を好きになっていたでござる。

でも、目が合うだけで恥ずかしくて・・・

情けなくて・・・

拙者は・・・

拙者は・・・」



次のコトバを言う前に口を塞がれてしまった。

それはとても優しいもので。



ブリッツは自分の唇と重なる、想い人の唇を離そうかと思った。


でも


今は、今だけでもいいから
この時間がまだ続いて欲しいと願い、

そのまま瞼を閉じた。


そのときに
一粒の涙が真っ直ぐ頬に伝っていった。



 




伝わらない。

伝えられない。

伝えたい。

伝えたくて仕方がない。

伝えよう。

今すぐに。

この気持ちを。

想いを。



もう




恥じない。




 
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