□今日一日だけの優遇
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「あ"ー…」

「んー?」

「…。」

パソコンに向かっていたら、後ろから妙な声。今日の主役だった男。振り向かずに聞くけど、返事はない。

「なんだよ、どうした?」

痺れを切らしてぐるりと首を回すと、ドンウが頬杖をついてこっちを見てた。

「どうしたと思う?」

…はて、なんだろうか。

誕生日はお祝いしたしプレゼントもあげたし。うーん…。

「プレゼント、別のものが良かった?俺なりに考えたんだけど」

気に入らなかったかな。

「いや、そうじゃないんだけど、…やっぱりそう」

「どっちだよ」

「他のもの…ずっと欲しかったものがあってさ」

なんだって!リサーチ不足だったのか。
ドンウがそういうタイプじゃないのは知ってるけど、それでも。

「前もって俺に言ってくれればよかったのに…」

「でも、ちゃんとジニョンがプレゼント用意してくれてたから、さすがにもう一つはねだれないなって思って」

…こういうとこがあるっていうのも、知ってるけど。こういうとこが、好きなんだけど。

「今からでもいいならあげるよ、何が欲しかったの?」

「…え」

「遠慮しないで、俺の誕生日にも二つプレゼントくれればいいだけの話だから」

Give and Take,Yeah...

「はは…それ、ホントに言ってる?甘えていいの?」

「…おう!来い!」

ドンウに甘えられるなんて、なんだか気分がいいじゃないか。なんでも言いなさい、ん?

「じゃあ…今から時間ある?」

「お…?今から買いに行くって?そんなにすぐ欲しいものなの?」

別に、時間も時間だしあとは寝るだけのつもりだったからいいけど、果たしてお店が開いているだろうか?

「まぁ、そんなとこ…今から、すぐがいい」

「そう?いいよ、あー、じゃあ着替えるから待ってて」

夜だし、帽子だけ被れば平気だろう。あ、予算大丈夫かな、とんでもなく高いものだったらどうする?

「…ジニョンア、心配しないで、お金はそんなにかからない」

「シン・ドンウ、今、俺の心を読んだな?」

「深刻そうに財布眺めてれば誰でもわかるよ」

…でもかっこ悪いじゃないか、お金の心配なんて。

「お前、準備できたのか?もう行かないと、どこも閉まっちゃうだろ」

「ん、大丈夫だよ」

うーん、ドンウヤ。
そのシンプルな服装は、スタイルが際立ってちょっと決まりすぎ。

妬けるな、もう。


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