ぱくす

□頼れる男、コン・チャンシク
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「はい、ジニョンヒョン、あーん」

「ひどいな…」

「あれ?ヒョン、何してるんですか?」

ジニョンヒョンの背中に手を添えて、口にご飯を運ぶジョンファンヒョン。
…介護?

「ジニョンお爺さんの介護ごっこ!」

あ、やっぱり。

「俺のことバカにするんだよ」

「バカになんて!でも、ほら、ヒョンこないだもつまずいてたでしょ?」

介護かぁ。

「あれは…ちょっと不注意で」

介護…、そんな歳になるまで僕たちは一緒にいられるんだろうか。

「そういうのが増えていくのが老化なんですよ!」

ああ、でもそうか、いい言い方をすれば、サポートだよね。

「老化って…!俺はまだ若いよ!!」

ジニョンヒョンのサポート、できるならマンネの俺だってしたい。

「ひゃあ!ごめんなさぁい!!」

ヒョンに頼られるような、そんな存在になりたい。

「チャニもひどいと思わない?」

「えっ」

「聞いてた?」

「…ごめんなさい」

「…素直でよろしい」

「えへへ」

てんで聞いてなかった。
あれ、でも待てよ…。話も聞いてないようなやつは、果たしてジニョンヒョンにとって頼れる男なんだろうか。
いや、違う。どんなことにもちゃんと耳を傾けなきゃいけない。
ジニョンヒョンの細かい表情にもきちんと気付いて…。

「ジニョンお爺さん〜ほら、つかまってください、気をつけて〜」

「もう、一人で歩けるってば!」

…えーっと、俺が今出来るサポートは、これかな?

「えいっ」

「あうっ」

「えっ…?」

ジニョンヒョンをバカにする輩(イ・ジョンファン)をやっつけてみた。

「僕、頼れる男ですか?」

「え、あ、うん…」

やった。[頼れる男]の称号を獲得した。
…ジョンファンヒョンにはあとで謝っておかなくちゃ。


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