いち

□ウイルス撃退即効法
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「え、風邪?」

風邪っぴきのアヒルがここにいます。俺です。明日も休めないのに、どうしよう。

「とりあえず、寝てなよ。何か食べられそう?」

うぅ…ジニョンヒョンは優しい…。

「バカでも風邪ひくんだ」

「…なんだと?」

もう一回言ってみろ、チャ・ソヌ!

「 バ カ でも風邪ひくんだねって」

「こいつ!熱烈なキッスで移してやる!」

「うああああああ!お婿に行けなくなる!助けて!ヒョーーン!!!」

ソヌを追いかけてたら、その先にドンウヒョンがいた。あ、後ろに隠れた!

「ヤァ!ソヌ!待て!」

「わっ」

ヒョンの向こう側にいるソヌに手を伸ばしたら、なんか、ヒョンに抱き着いてるみたいな体勢になった。
ヒョンの胸に顔を押しつけてる感じ。

「あ…ヒョン、ごめんなさい」

「いや、いいけど、暴れちゃ駄目でしょ。病人は寝なさい」

怒られちゃった…あ。ソヌに逃げられた。

「…ヒョン、ソヌが俺のことバカって言ったんだよ」

「うん、俺もそう思ってるよ」

「え、ひどい!!!」

ヒョンまで俺をバカだなんて!

「風邪ひいてるのにソヌと追いかけっこするなんて、バカでしょ」

「ゔ…それは、そうだけど…」

返す言葉がない…。正論過ぎて。

「自分のベッドの場所がわからないくらいバカなの?違うでしょ?」

「違います…」

「ほら、寝た寝た」

「はーい…」

ちぇ…ソヌには治ったら仕返ししよう。


「移ったら困るから、みんなは部屋入ってきちゃダメだよ」

そう言ってからパタンと扉を閉めたヒョン。あれ、これ、部屋に俺たちだけ?

「へへ、やっと二人きりになれましたね」

「バカなこと言ってないで寝るの」

「えー…」

なんだ、違うの?つまんなぁい。
仕方なく横になって布団をかぶった。ヒョンが顔を覗き込んでくる。

「だるい?」

「少し…」

でも、今俺ハイなのに眠ってられないよ。熱のせいでテンションが変なんだ。

「ジニョンが何か食べるもの作ってくれてると思うけど、持ってくるか?」

「ヒョンが食べさせてくれるなら」

「しょうがないな…」

やった。

おとなしく待ってるんだよ、って優しく言われて、ふわふわした気持ちで頷いた。


あ、待って、でも…今は食欲より…。


「ヒョン、…」

「どうした?」

「なんか熱くて…汗、かいちゃった…」

「お風呂行ける?」

「無理ぃ…ヒョン、拭いて?」

「普通のタオルでいいのかな…それじゃ綺麗にならないかな…」

ぶつぶつ言いながら悩んでるヒョン。もう、わからずやだなぁ。

俺はおもむろにシャツを捲し上げて、ヒョンに肌を見せた。

「汗、きもちわるいよ…ヒョン…」

「わ…!バカ、寒いから、ちゃんと着てなさい!」

「やだぁ…アツいの…」

汗で濡れた肌に布がつくのを避けるように体を動かす。

「〜っ…、タオル、濡らしてくるから、ま、待ってて…!」

…ふふ、ヒョンってば。顔赤くして、かわいーの。




うー…眠たくなってきちゃった…。
ヒョンまだぁ…?

さっきまで全然眠くなかったのに。

あ…瞼がおりる…。


「…寝てる?」

「はっ…!!起きてる!」

「ごめんね、遅くなって」

「寝ちゃうとこだった…」

目をこすりながらなんとか意識を保って、ヒョンに体を拭いてもらう。

「汗びっしょりだね」

「ん…だって、熱くて…。や、ぁ…くすぐったぁ…っ」

「ご、ごめん…」

「優しすぎです…くすぐったいからぁ…」

「えっと、こう?」

ヒョンが焦ったように力加減を変えるけど、強すぎたり弱すぎたりでもどかしい。

「もぉ、ヒョン、貸して!」

「えっ」

ヒョンの手の甲に俺の手を重ねて拭いた。ヒョンの手、ちょっと冷たい。
あ、俺が熱いだけか…。

「どうしたの?ヒョン」

「いや…」

「…ン、背中も…」

「う…ん、あの、起き上がれる…?」

あ〜…ちょっと、甘えちゃおうかな?
そう企んで、俺は横になったまま、苦戦しながらも上を全部脱いだ。

「ヒョン…、こうじゃダメ?」

「っ…いい、けど、」

ヒョンの首に腕をまわして抱きつくみたいに少し起き上がる。
へへ…このまま背中を拭いてもらおうと思って。

「お願いしま〜すっ、あ、くすぐったくしないでね!」

「…はいはい、」

「っ…あ、ヒョン、ッ…はぁ…」

熱い体をヒョンに密着させながら、くすぐったさを訴えるように耳元で息を吐く。

やだっ俺今めっちゃセクシーじゃん!!!

「あ…の、ジョンファ…」

「ヒョン…もっと強く、して…?」

ぎゃー!エロいぞイ・ジョンファン!!



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