いち

□仲良くなりたい
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「なぁ、ジョンファ…」

「あっ…ソヌ…ごめん」

また…俺の横を離れてく。ヒョンの元に向かうその後ろ姿、もう見慣れた。
寂しいよ、俺。友達より恋人なんて、女子かよお前は。
っていうかさ、そんなに好きなんだ、ドンウヒョンが。そっか。ごめんね。



ジョンファンのいないところで、今日も。

「ん…、ヒョン…っ」

「わかったから…」

ドンウヒョンと、恋人ごっこ。
体だけじゃないんだ、その時間だけは、恋人みたいに過ごすんだよ。


「ソヌはさ、俺をどうさせたいの?」

「…どうって?」

「だってソヌ、俺のこと好きでこうしてるわけじゃないでしょ」

「…好きですよ?」

なんで。好きですよ、ジョンファンの好きな人だから。

「ジョンファンと別れさせたい?」

「あー、それは違いますね…」

「わかんないな…」

「いいの」

わからなくて当たり前。俺だって自分で知ってますよ、普通じゃないってこと。

「…どっちにしろ、仲良いふりして、ひどいな」

「あ、心外」

仲良いから、じゃないですか。
あいつの好きなものは、俺もその良さを知りたい。あいつの好きな人なら、俺も好きになりたい。


もっと仲良くなりたい。

ジョンファンのこと、知りたい。純粋な友情から、正反対の関係。
俺を憎んで、軽蔑して、当然かもね。でも、知りたくなったんだよ。
聞いたって教えてくれないだろ?

お前の見てるもの、感じてること、もっとたくさん知りたいよ。


「ヒョン、キス…」

「っ…ん」


ねぇ、俺たち、同じ体験をして、また近づけたね、ジョンファナ。


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