いち

□「キブニ オッテヨ?」
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「じ、ジニョンヒョン…?」

「ソヌヤ…」

どうして今俺は、ジニョンヒョンに迫られているんだろう…。

「ヒョン…ちょっと落ち着きましょうよ」

「うるさい…」

「ッぅあ…ヒョン、やめ…っ」

首筋に噛みつかれて焦った。一体ヒョンに何があったんだよ。

「ね…おとなしくして…?ちゃんとできないと駄目なんだ…」

「駄目って…なにが…、っ!ヒョン!」

Tシャツの中にヒョンの左手が滑り込んできて、触れるか触れないかってくらい微かに肌を撫でてくる。
くすぐったいってば、ちょっと待ってくださいよ。ヒョンほんとに、何する気なの?

「ん…ソヌは、どこが気持ちいいの…?」

俺の首の、さっき噛んだところを舐めながら、吐息混じりにそう聞いてくるヒョン。
絶対おかしい。こんなのジニョンヒョンじゃない。こんなことする人じゃないはずだもん、うちのリーダーは。

「っは…ぁッ…ヒョンっ…」

「ソヌ、かわい…」

首や鎖骨を啄みながらヒョンは、指で俺の胸の突起をつぶしたり、ひっかいたり。
びりっと電気が流れるみたいな感覚になって、声が上擦る。

「やめてって…っ」

「気持ちよく、ない…?」

良くないわけじゃない…けど、だって、ヒョンは、チャンシクとそういう関係なんじゃなかったの?

「っあ…ちょっ、マジで、ヒョン…ッ」

スウェットの上から撫でられて勃ちあがり始めた俺のに、ヒョンの指が絡んだ。
形を確かめるみたいに手で包んできて、俺のはますますカタくなってく。
やばいって…やめてほしくなくなっちゃうよヒョン…。

「ねぇ、ソヌの、見せて」

「…は!?」

いよいよジニョンヒョンはおかしくなったみたいだ。
右手で俺の乳首、左手で俺の…なんて、それだけでおかしいのに、見せて、とか言うのは絶対おかしい。

「だって…もう勃ってるし、ここでやめるわけにいかないでしょ」

「それは、そうだけど…」

いや、違う。自分で抜けばいいだけじゃん。なんでヒョンにそんなこと…。

「…ん、先っぽ、濡れてるね」

「っ…ヒョン…!?」

おかしい。絶対おかしい。こんなの、有り得ない。ジニョンヒョンが、俺のを舐めてるなんて、本当に有り得ない。

「ん…ふ…っ」

「あッ…ヒョン、ダメだってっ…!」

それ、ヤバいよ…ヒョンの口の中があったかくて、舌が柔らかくて…。

「は、ぁッ…ダメだって、溜まってるから、ヒョン…!」

ここ数日、抜く暇なかったんだよ…このままだと、マジでヤバい…。

「ッ…あ、ヒョン、口はずして…っ」

「ぅ…んんっ…」

「ジニョ…ヒョ、ンっ…わッ…バカっ…」

ダメって言ったのに、むしろヒョンは、手で俺のを扱きながら先に吸い付いた。
それに耐えるにはあまりに突然だったから、俺はあっけなくイって、あろうことか、ヒョンの口の中に全部出してしまった。

「ん゙ー…」

「あ、えっと…ヒョン、ごめんなさい…」

いや、俺のせいじゃないよな?そう思ったけど一応謝って、ヒョンにティッシュを渡した。
ティッシュに吐き出した後、ヒョンが唇を舐めたのが、なんかものすごくエロくて。
あの口の中に、俺のが入ってたんだよな…とか考えて変な気分になった。

「…ジニョンヒョン」

「ん?」

「えっとぉ…、なんで、こんなことを?」

「…あー、まぁ、気にしないで」

「えっ…」

気にしないでって、無理でしょ。
ヒョンの去った部屋で俺は独り、ただ呆然としていた。


あの唇が、舌が、俺の頭をちらついて、おかしくなりそうだ。
ヒョンが俺の脚の間に顔をうずめる、その光景があまりに扇情的で、頭から離れてくれない。
もう、誰か助けてくれ…。

後悔やら疑問やらでしばらくその場でぼーっとしてたら、部屋の外から声がした。
チャニの声だ。どうしよう、さっきのがバレたら。
いや、でもヒョンからだったし、俺に責任はないよな?
あ、やっぱりあるわ。本気で拒否すればあんなことにはならなかった。あぁ…。

自問自答してるうちに、もう一人ぶん、声が聞こえるのに気付いた。
…ジニョンヒョンだ。ふたりで話してる?壁越しだと内容まで聞き取れない。

そっとドアを少しだけ開けて、盗み見(聞き)しようとして、すぐに俺は硬直した。

顔を赤く染めたジニョンヒョンの後ろに、チャニがくっついてる。
くっついてるっていうか…まさに挿入直前って格好だ。マジで、今からヤっちゃうのかな…?

「あ…ぁぁあッ…チャ、ナ…ァっ」

「声、聞こえますよ…」

「だいじょ、ぶ…、ソヌ…多分寝てる、から…っ」

本当に寝てたらどれだけ良かったか…。
チャニに突かれるたび揺れるジニョンヒョンの前髪と、甘く抜ける声が、また俺の頭に焼き付く。



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