いち
□あくまでヒョンのため
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「ヒョン、どこ行くの?」
「っ…!」
狸寝入りをする俺の隣に座ってたヒョンが急に立ち上がったから、その腰に抱きついて、行く先を尋ねた。
「…ヒョン?」
「チャ、チャナ…あの…離して」
「なんで?どこ行っちゃうの?」
寂しいじゃん、俺を置いていかないでって、そんな目でヒョンを見上げたら、ヒョンは戸惑ってた。
いつもなら、チャニは甘えん坊だな、って呆れたふりをして、それでも甘やかしてくれるんだけどな。
今はせっかく二人だっていうのに、どこ行っちゃうのヒョンってば。
「は…離してよ…チャナ…」
「だから、なんで?」
「それ…は…」
変に口ごもってるヒョン。本当は気付いてた。だってヒョン、さっきから顔が赤いんだもん。
みんなと一緒の部屋じゃなかなか抜けないし、溜まってるのはわかるよ。だから、どうすんのかなって思ってたんだ。
他のみんなはいないし、俺が寝てるから、チャンスだって思ったんでしょ?
でもダメだねヒョン。そういうときは、寝てるやつが本当に寝てるか確認しなきゃ。特に、俺みたいなのは要注意。
もし寝たふりだったら、こういうことになるから、ね。
「トイレにでも行って抜くつもりだったんでしょ?」
「っ…そんなストレートに言うなよ…」
随分恥ずかしがっちゃって。俺とヒョンの仲なのに。っていうか、なんならさ…
「俺が手伝ってあげよっか?」
「えっ…何言って…っ!」
布越しでも、触ったらやっぱり熱くて。
「自分で触るより、人に触られる方が気持ちいいって」
「や…ッ、チャナ…!」
「座って、ジニョンヒョン」
ヒョンの腕を引っ張って座らせて、下を脱がせようとスウェットに手をかけた。
「ま、待って…」
「ん?なんですか?」
「やっぱり…恥ずかしいから、いいよ…」
切れ長の目が伏せられて、すごく綺麗。なんて、そんなことより今は…ね。
「そんなの、恥ずかしくないようにしたらいいだけじゃん」
「あ……やめ…っ」
ヒョンの後ろに回って、スウェットに手を入れて、俺には見えないように。まだ下着越しだけど、濡れてきたのがわかった。
「ヒョン、気持ちよくないなら、やめるけど…」
「ッ…ん…」
気持ちいいよね、そうに決まってる。こんなに感じてるんだもん。とっても可愛いよ、ヒョン。
「ね、直接触っていいですか?」
聞きながら、返事なんか聞く前にもう手は下着の中に入れちゃってるんだけど。
「や…ぁ…チャナ…ッ」
「え…」
後ろからヒョンの真っ赤な耳を見てたら、噛んでみたくなんたんだ。つい、ね。こんなに弱いとは思わなかったよ。
びっくりしたけど、でも、俺にとってはこの上なく好都合だよね。ヒョンの性感帯、み〜っけ。
「チャ…っあ、だめ…ッ」
「でも、ほら、いっぱい溢れてくる」
耳朶を甘噛みしながら、ぐちゃぐちゃ音をたててヒョンのモノを扱いてたら、なんかもう、限界が近いみたい。
「ん…ぅッ……」
「…あ、イっちゃった」
俺の手の中で脈打つ。ヒョンが唇を噛んで声を殺していた。
「や…チャナ……」
「どうしたんですかヒョン、足りない?」
「ちが…気持ち悪いから…離して」
気持ち悪い…!?って一瞬ショックだった。
でもそうじゃなくて、ヒョンは下着を脱がなかったままイっちゃったから、それが気持ち悪いって言ってるんだと思う。
そういうことなら、はやく脱がなきゃね。俺に任せていいよヒョン。
「えっ…チャナ!」
「大人しくしてください」
「んっ……や…ぁ…ッ」
脱がそうとしたら抵抗するから、耳朶の裏を舐めて黙らせてみた。そしたら力も抜けて簡単に脱がせられちゃった。
露になったそこを直接握りこむと、またヒョンの体がびくっと反応して可愛かった。
「ヒョン、溜まってるなら、もう一回くらい出しましょう」
「い、いいよっ…もう、いいから…」
「俺はヒョンの身体が心配なんです…」
可愛らしくそう言ってヒョンをきゅっと抱き締めたら、ほら、ヒョンはまたほだされちゃうでしょ。
「えっ…!ま…待って、チャナ…ッ」
「あれ、前立腺って知りません?」
「や、やだ…そんなとこ…!」
「大丈夫、ヒョン、俺に任せて?」
さっきヒョンが出した精液を後ろの窪みに塗りつける。逃げようとする腰を掴んで、少しずつほぐしていく。
「チャ、ナ…ッ」
「わかってます、まだ変な感じですよね。ちょっと待って…すぐ見つけるから」
ゆっくり入れた指で中を探って、感じるポイントを見つける。このへんだと思うんだけど…。
「ッ…あ…!」
「…み〜っけ。」
「あ、ぁッ…チャ…ナぁっ…やだ…っ」
「またイっちゃう?ほら、いいですよ、ヒョン。前も触ってあげる」
「ひゃ…ぅ…あ…ッ」
後ろを掻き回す指も止めずに、もう片方で激しめに扱いたらヒョンはあっけなく達して、上気した肌で浅い息をしてた。
まぁ、これくらいで止めとくべきだよね。最初は。
「ヒョン…気持ちよかったでしょ?」
何回でもやってあげますよ。次はもっと、その次はもっともっと、気持ちいいことしてあげる。ヒョンのため。
あ、別にヒョンをちょっとずつ開発しようなんて、そんな下心はないから…。可愛いマンネの好意、信じて下さいね?
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