いち
□つまらない話
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「…ソヌヤ」
「何」
なんだよ、そっけないな。俺が何かしたっていうの?してないよね、多分。
だとしたらこの態度は不当だと思うんだ。うむ。これは尋問に値する。
「チャ・ソヌ!そこに座りなさい」
「は?…座ってるだろ」
「その態度はなんだ!」
「お前こそなんだ、このっ」
「わっ!やめろ!こらぁ!」
飛びかかってくるとは!なんて野蛮なんだ全く…なってないな。これはちょっとこらしめてやらないと!
「…なんなんだよ」
「大人しく聞いて!」
「聞いてるってば」
「お前は態度が悪い!なんで俺の話をちゃんと聞こうとしないんだよ」
「……。」
な、なんで黙るんだ。やっぱり俺がなんかしたのかな?記憶にないんだけど…。
「ソ…ソヌヤ…?」
「言っていいのか?」
「え、あ…あぁ!言ってみたまえ!」
や、やっぱりなんかした?どうしよう、怒ってる?なんて謝ったら許してくれる?えっと、えっと…あぁぁ思い付かない!
「お前、さっき俺に話しかけたとき、何か用あった?」
「へ?」
「用、なかっただろ」
「うん…」
確かになかったけど、それがなんだっていうのさ?
「そんなのに付き合ってられないの」
「は?」
「つまんない話は聞きたくないってこと」
「は?」
「…もう、なんなんだよ」
そっちこそなんなんだよ。用がなくちゃ話しかけちゃいけないのかよ。恋人にそんなつまんないルールあんのかよ。
…もー怒ったもんね。俺怒ったよ!いいの?覚悟しろよ?
「ソヌヤ」
「…何」
チャ・ソヌ!俺様のこの攻撃をくらえ!
「好きだ」
「はっ…!?」
「愛してる」
「ちょ、待って、いきなり…っ」
はははは!戸惑ってる戸惑ってる!いやぁ、照れるソヌもいいね!
「どうだ!参ったか!」
「…ばかやろー…そういうことかよ…照れて損した…」
「だって、こういう話ならつまんなくないだろ」
「そう…だけど」
「な〜に?そんなに照れることかなぁ?」
「照れてない!からかうなバカ!」
顔真っ赤!面白いや、たまにはこういうソヌも悪くないな。可愛いじゃん。
「俺にも言って言って!」
「よーし、お前が恥ずかしくて俺の顔を見られないぐらいにしてやる」
「そんなのできるの?」
「決まってんだろ?」
あー、ホント、こんなに面白い話はなかなかないね。俺たち、これから退屈なときはこういう話をしよう。
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