(3日の休暇を取ったはいいが、成歩堂は仕事で相手をしてもらうわけにもいかない。何をすればいいのだろうか。成歩堂…今何をしているだろう…む、いかん、彼のことを考えると、ううっ…包帯が…きつい…。落ち着け…落ち着け私、別のことを考えるのだ、たとえばそう…) 「トノサマンが幸いに忙しく数回分溜まっている。この機会に消化しよう」 〜数分後〜 『うぬれアクダイカーン!ヒメサマンを人質にとるとは卑怯なり!』 『トノサマン、私の事は捨て置き下され』 『何を言う。愛する者の為なら辱めなど!』 「その通り!私とて成歩堂の為に辱めにも耐えたのだ」 「成歩堂以外の誰かに見せることになるなどと思ってもみなかった…だがこれも愛のためだ…。トノサマン…君はどうする…」 『要求は何なのだ』 「やはり愛を取るのか…つらい決断だ…」 『クックック、我が願いはただひとつ!』 「…ネオ・エドシティの征服か…卑怯者め…」 『貴様の命であるトノサマンスピアーを自ら折れぃ』 「何だと!?精神的に責めるとは姑息なっ」 『それはっ』 『ヒメサマンがどうなっても良いのか?』 『ぬぅ、仕方あるま――『ダメ!』 (アクダイカーンの腕を噛み逃げるヒメサマンに、凶刃が迫る) 『ヒメサマンッ』 庇うトノサマンに――! 「ぬっ!ここで『つづく』なのか!次を早く観なければ!」 ぷるるるるっ 「む…電話か…(はっ)成歩堂!」 ぷるるるるっ 「トノサマンと成歩堂…私は今愛を試されているのだな。もちろん君を選ぶとも、成歩堂!(録画した番組は逃げないことだしな)…御剣だ」 『あっ、僕!』 「うむ、どうしたのだ?」 『うん…あのさ、突然で悪いんだけど』 「なんだ、言ってみたまえ」 『今日これから、お前んち行ってもいい?』 「構わないが、何かあったのか?」 『う、ん。今日の公判でさ、ちょっと色々あって滅入っちゃって…』 (成歩堂の今日の公判、確か事件内容は…) 「強姦殺人だったか」 『うん…何かこう、生々しい話ばっかで、疲れちゃった。だからおまえで口直しっていうか』 「ふむ…かまわな、いや待て」 『御剣?』 (…成歩堂がここに来てふたりきりになどなったら私は…。一ヶ月は禁欲せねばならぬというのに…むうう包帯がきつい) 「その、今夜はだな」 『都合が悪いって?…仕事は休んだって聞いたけど。それとも出かけてるの?』 「家だ。だが少々問題があるのだよ」 『……』 「成歩堂?」 『なぁ今一人?』 「ム?そうだが」 『…本当は誰かと一緒なんじゃないの?』 「何を―― 『男なんてヤレれば誰だっていいんだよね!』 「何を言い出す」 『僕が行ったらまずいんだろ』 「…む、そ…それは…」 『ほら見ろ…手術してヤレるようになったら早速かよ、お盛んだな。誰かで練習して僕に実践してくれるんだ、ありがたくて涙が出るね!』 「誤解だ!…いや待て成歩堂。手術…と言ったか?」 『えっ、あ』 「まさか、成歩堂…君は知っていたのか?」 『――なんのこと?』 「その沈黙が答えなのだな。ふ、さぞかし滑稽だったのであろう!?この歳になるまで××とは。……笑いたければ、笑うがいい。どうした! さあ、笑えよ!」 『(笑えないし、笑えるわけないだろ)……御剣』 「何なのだ。これ以上私を惨めにさせる気か」 『今、本当にひとり?』 「術後一ヶ月は性交渉も自慰も禁じられている。そうでなくとも君以外の相手など考えたくもない」 『…そっか。僕のために頑張ってくれたんだな。恥ずかしかったよな。ごめん』 「君のためなどではない…」 『僕のため、じゃないの?』 「ああ、そうだ」 『(それって嫌いになったとか?嫌だよ!謝らなきゃ)御剣、ごめ――』 「君のためではない。私のためだ。宴席での君の言葉が嬉しくて。道を示され、君と繋がらないでいることに私自身がこれ以上耐えきれなかった。君はどうかわからないがな」 『(きゅん)御剣…会いたい』 「だからそれは困ると」 『一ヶ月禁欲だから?』 「うむ…不本意ながら、君がそばにいては耐えられる自信がない」 『…じゃあ、ずっと会えないのか?』 「むぅ…外でなら…」 『外じゃキスできないよ。キスもしてくれないのか?』 「むぅ」 「…成歩堂、3日後の予定は」 『え?公判があるから裁判所、かな』 「では、帰りに検事局へ寄りたまえ」 『…御剣?』 「私の家も、君の部屋や事務所でも。抑えきれる自信はない。だが、神聖な執務室ならば暴走は出来ぬ」 『(職場でって、禁欲的でエロい気がするけど)うん、分かった///』 |