(その頃御剣は必死にネットで病院を検索していました) 「ん?その、包茎手術ね、ん、やってるよ」 「ぬぉぉ、では、宜しくお願いできるだろうか!」 「ああ、うん、いいよいいよ。で、相手はあのねえちゃんかね?ん」 「おじいちゃん!真剣な人をからかわないの。えーと…その、日帰りで受けられますけど、1カ月はしちゃダメですよ?」 「!?」 「1ヶ月…(近いうちに、と約束したのに…成歩堂に何と言えばいいのだ…)」 「若い人はだいたいここでそんな顔するね、ん」 「…致し方ない…」 「ん、まぁ、任せておきなさい。ぺろっと剥いてあげるから、ん」 「承知した、ん(う、うつってしまった…!)」 チャラッチャッチャラ〜♪ 「あ、御剣だ」 『成歩堂、すまない』 「なに…どうしたの、そんな深刻な声して」 『私は君に合わせる顔がないのだよ』 「はぁ?ちょっと、ナニソレ」 『もしも呆れたのなら、私のことは忘れて他に――「いいから。何があったのかいいなよ(低音)」 「御剣何だって?」 『その…訳あって、君とコトに及べるのはひと月ほど先になってしまったのだ』 「(ああ…そういうもんなんだ、へー)何だ、そんなことか。分かった、待つよ」 『ほ、本当に待ってくれるのか』 「決まってるだろ(…えっちな夢、まだしばらく見なきゃいけないみたいだな…)」 『成歩堂…君と言う健気で素晴らしい恋人と出会えた奇跡を喜ばしく思う』 「(いちいち大げさなんだよなぁ、悪い気はしないけど)うん、待ってるから」 『うム!待たせる代わりに、君を悦ばすために最大限用意をしておこう』 「え、いや、ほどほどでいいよ?(何用意するつもりなの)」 『待っていてくれたまえ。このひと月で、君と私との初めての夜にふさわしい最高の舞台と道具立てを整えてみせるっ』 プツッ 「御剣、何だって?」 「なあ矢張。僕ってやっぱり趣味悪い?」 「今更何だよ?」 「はは…(年取ってからのはしかは重いっていうけどほんとだな…)」 「その、アレの手術の連絡だったのか?」 「うん、もう予定も決めてきたらしいよ。日帰りだし有給とって即やるって」 「本気だな…」 「うん…本気なのはいいんだけどね(舞台はともかく、道具ってのが気になるんだよなぁ)」 「大丈夫だぜ、成歩堂」 「何が」 「お前らどっちもどっちだからよ」 「どういう意味だよ」 「あいつが何をどうしようとおまえは受け止めるだろうし、逆もそうだろ」 「…多分」 「そーゆーのがアレだよおまえ、運命の相手ってやつじゃね?」 「…矢張」 「あん?」 「おまえって顔の割にすごいロマンティストだよな」 「顔の割には余計だっつうの」 「…ありがと、な。お前が友達で良かったよ」 「あぁん?今頃分かったのかよ!かーっ、友達がいのねぇやつ」 「まぁとりあえず、あいつが暴走し過ぎないように気をつけつつ、一ヶ月後は休み取っとかないとな」 「成歩堂」 「なに?」 「…童貞の本気を甘く見るなよ?」 「…うん、連休にしとく」 「では御剣さん、こちらへどうぞー」 「…うむ…(いよいよだ…待っていてくれ、成歩堂…君のために私は恥を忍び、親からもらった身体にメスを入れる…!)」 「はいー剃毛しますねー」 「む…(耐えろ…耐えるのだ…これも成歩堂のため…成歩堂との愛の営みのためだ…!)」 「終わりましたよー」 「ム、包帯が…(物悲しいものだな、この光景は)」 「3日は濡らさないで下さい。包帯は毎日替えること。湯船の入浴は2週間後からで。1月は性行為はダメですよー」 「承知した」 「自慰もダメですから」 「何!?」(成歩堂のことを考えることすら禁止なのか!?) |