実は包茎だった御剣。 恥ずかしくてそのことを恋人である成歩堂にも言えない御剣だったが、なんとなく言動から察した成歩堂は、幼馴染3人で集まった飲み会の席。敢えてその話題を切り出すことにした。 「包茎って手術で治るらしいよ?」 「何でオレに振るんだよーオレは剥けてるぜきっちり!」 「いやいやいや、話の種にさ(ちらっ)」 「何故故私を見る(…手術…そ、そのようなアレを手術…だと…)」 「御剣ぃ、脂汗流れてんぞ、飲みすぎたかー?」 「…い…痛いのだろうか」 「何が?」 「何が?」 「………」 「でもさ、悩んでるならぱぁっとやっちゃった方がいいと思うんだよね」 「んーそうだなぁ。ま、自信はつくかもだな」 「そうそう、心が健康的になるならねぇ」 「でも抑制取れて一気に爆発しちまうんじゃね?オンナとっかえひっかえよ」 「…っそんなことはない!」 「何が?」 「何が?」 「男としてこう、ちゃんとしとかないと。恋人のためにもさ」 「…恋人…」 「まーそーだな。ヤるかヤらないかは結構重要だからな!」 「そうなのかっ?」 「馬鹿だなオマエ。ヤッてやらなきゃ、オンナは自分に魅力がないんじゃないかと思うに決まってるじゃないかよ!」 「…」 「そう、なのだろうか」 (視線を成歩堂くんに) 「そうだね。…やっぱりそれだけってわけじゃないけど、不安になるんじゃないかな」 (寂しげに、見える顔を作って御剣を見る成歩堂) 「だろぉ?」 「…そうか。男ならば、恋人の望みは叶えなければな」 「はぁ?お前はぶいぶい言わせてんだろ?」 「ぶいぶい?」 「おまえくらい面良けりゃオンナなんか入れ食いだろ」 「なっ!」 「案外ヤリ捨てとかしてんじゃねーのー?」 「………そうなのか?」 「ばっばばば馬鹿を言うな!私は君一筋に」 「えっ」 「えっ」 「………えっ?」 「まさか童貞ってことは――」 「そ、その様なアレでは……」 「――ねぇよなぁ。ナルホドだって済ませてるだろ?」 「えぇ。急に僕に振るの?別にどっちだっていいじゃん」 「え、マジで!?まぁお前モテなさそうだもんな」 「ムッ僕だって彼女の2、3人はいたよ」 「……!」 「女の子っていいよなあ、柔らかくてよぉ」 「う…うん」 「そ…そうだな…」 「いい機会だから初体験ぶっちゃけようぜー。オレ16んときバイト先のおねーちゃんとー」 「ぼっ、僕はその。大学の時…同じ学校の…」 「御剣は?」 「う…うむ…わ、私のそのようなアレは…」 「んだよ、その様なアレはいいたくねぇってか?出し惜しみしてんなよ。ん、まさか小学校とかいわねぇよな?」 「それでは犯罪ではないか!」 「犯罪ってお前よ。まあ早すぎたか。で?中学生か?まさか冥ちゃん相手じゃねえだろうな!? 「そんなわけが無かろう!考えただけで恐ろしい」 「まあまあ、黙秘権は尊重しようよ(…後でこっそり聞いてみよう…)」 「ちぇっ、オマエは御剣には甘いんだからなー」 「なっ、何だよそれ」 「昔っからそうだぜー、オレと御剣が喧嘩すっと絶対御剣の味方してよー」 「そうであったろうか…?」 「そうであったっつうの」 「だいたいナルホドは御剣の追っかけしてたわけだしよ」 「追っかけじゃないよ」 「じゃあストーカーか?」 「だからそうじゃなくて」 「しかし、それだけ想われていると言うのはありがたいものだな」 「……御剣」 「……お前ら付き合っちまえばいいんじゃね?」 「え!」 「え!?」 「………」 「………」 「………何だよこの微妙な『間』は」 「ぼっ、僕ら」 「成歩堂」 「え?おまえらマジで付き合ってるとか?なーんだ。早く言えよ」 「…驚かないんだな」 「オレそのへんに偏見ねーし。オレから見りゃおまえら付き合ってない方がオカシイって感じだし」 「なんだよそれ」 「だって、お前ら直ぐ二人の世界入るし?」 「その様なことは」(照れ気味に否定) 「職業変えるとかジェット機チャーターとか、頭おかしいっつーか」 「頭がおかしいとは何だ!成歩堂は素晴らしい男で」 「御剣だってそれだけ優しいから」 「ほらな。てか誉めてんだぜ?」 「とても褒めているようには聞こえないのだが」 「だってさ、野郎同士で、いろいろ大変だろ?そういうのを乗り越えて付き合うことを選んだっつーのは、男と女よか大変だと思うんだよ。…でさでさ」 「何?」 「アレだよ、どっちがヤる方?」 「「ぶはーっ!(飲み物噴く)」」 「俺が考えるに、だな。ガタイがいいのは御剣だろ〜?けど顔はよ、御剣のが綺麗な顔してると思う訳よ。まぁナルホドも悪くねえけど」 「何を言っているか、たわけが!成歩堂は可愛いぞ」 「……お前こそ何言ってるわけ」 「で、どっちなんだよ」 「「……。」」 目元を赤くして俯く 「今更照れるようなことかよ」 「…いやその」 「何だよ」 「……まだ…なんだよね」 「はぁ!?おまえら付き合ってどれくらい経つわけ?3日?1週間?」 「………3年目?」 「うむ」 「はああああ!?」 |