さくらと星の夢
□キミが一番
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二周年記念 拍手お礼のお話
【3位】さくら×ケロ
「これがケロちゃんの真の姿…?」
火-ファイアリー-のカードを封印して、元の姿に戻ったケロちゃんはなんだか別人みたいで…。
頼もしくて、強そうで、すっごくかっこ良く見えた。
でも‥。
「かっこ良いね、ケロちゃん!」
わたしが言うとケロちゃんはフフンと鼻を鳴らして、
「せやろ!?この毛並み!艶!鋭い目!!いやぁ、わいはどこをとってもホンマかっこえなぁ〜」
…だって。
見た目は変わっても、中身はやっぱりケロちゃんなのね。
「ケロちゃん、おやつにたこ焼きあるんだけど…」
ホカホカのたこ焼きを持って部屋へ入ると、ケロちゃんはクッションを枕に夢の中。
「寝ちゃったんだ…」
顔を覗き込むと、ごまのように小っちゃな眼は閉じられて、糸みたいに細くなってる。
「ふふ‥っ、可愛い」
思わず笑みが零れた。
あのね、ケロちゃん。
こんな事言うとケロちゃんは怒っちゃうかも知れないけど…。
頼もしくて、強そうで、すっごくかっこ良い真の姿のケロちゃんよりも、小っちゃくてぬいぐるみみたいなケロちゃんの方が、好きだよ?
だってその方がずっとケロちゃんらしいんだもん。
「…ぇい」
わたしがまん丸のほっぺたを指で突っつくと、う〜んって唸ってそっぽ向いちゃった。
…と思ったら、
「はっ!たこ焼きやっ!」
って、突然叫んで起き上がった。
「わぁ!ビックリした」
「わ〜い!今日のおやつはたこ焼きやぁ〜!」
そう言って、ケロちゃんは目の前のたこ焼きをポンポン口の中へ運んでいく。
「すごい食い意地…」
「ん〜、んまいっ!」
ケロちゃんってホント食い意地張ってる。
だけど…。
「ケロちゃん、これからもよろしくね」
ってわたしが言うと、ケロちゃんは小さな目をパチクリさせて驚いた。
「どないしたんや?突然」
「ん〜?なんでもない!」
なんだか少し恥ずかしくなって、最後の一つのたこ焼きをパクリと口に入れたらすぐにケロちゃんが声を上げた。
「あぁ〜っ!最後の一個〜!!」
「いいじゃない、殆どケロちゃんが食べたんだから」
そう言ってわたしが逃げようと立ち上がると、後から声が聞こえた。
「心配せんでも、さくらに何かあったらわいが守ったる!」
「ほぇ‥?」
わたしが振り向くと、ケロちゃんはニカッと笑って、
「わいとさくらはなかよしなんやから」
「ケロちゃん…。うんっ!」
主とかじゃなくて、なかよしになりたい。
そう願ったのは、わたし。
ありがとう、ケロちゃん。
やっぱり小さいままでも、ケロちゃんはかっこ良いかも。
「けどっ!最後の一つのたこ焼き食うた罪は重いでぇ〜」
「…………」
う〜ん‥、前言撤回、かな?
fin