HUNTER×HUNTER

□全然稼げない。
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カストロに案内されBリングに上がれば、先程受付中に俺を鼻で笑った奴がそこにいた。







「おー、お前が俺の相手か"優男"さん?」






「あー…あはは。ヨロシクヨロシクあはは。」










うっわ、めんどくせ。




凝をして相手のオーラを確認しても、一般人のそれと何ら変わりない。


力加減がなぁ…難しいんだわ

俺って中途半端な強さだから。






カストロみたいに怪力じゃないから手刀で相手を気絶とか吹っ飛ばしてリングアウトも出来ない。



だから念を使っていつもは首を曲げさせたり色々するんだけど…






相手は一般人。



…よりは少し強い人。







力加減が難しい。








首を傾げつつ観覧席に悠々と座っているカストロに視線を向ければ








ニッコリと優しく微笑まれた。












それだけ?






なんかいい案無しかよコイツ。



とか内心カストロに愚痴を言っていれば、審判が試合開始の合図を告げた。








「吹っ飛ばして、場外負けにしてやるよ!!!!」





「そうだねー、君ならそれが出来るよねーー…うーん…困った。」








 
 




俺に襲い掛かってくる彼の腕を身を捩って避ける。


くるくると彼を翻弄するように避けていれば、段々と息が上がってくるのが分かる…あ、俺じゃないよ。





そうだよね、その巨体だから息が上がるのは当たり前だよね。




さて、とりあえず手を出さないままってのもあれだし……



とりあえず腹に一発入れるか。






右手を強く握り拳を作れば、息が上がっている彼の懐に潜り鳩尾に一発入れる。






ドスッ!!!







結構鈍い音を立てて鳩尾に深く拳がめり込んだのを確認しつつ、地面を蹴り上げて彼から素早く離れる。








「ぐっ…ぉぼぉぇええ!!!!」










まぁ、案の定彼はモザイクがかかりそうなものをいっぱい吐いて倒れてしまった。




試合の前にアホみたいに食べ物を食うからだ。







「けっ……132番KO!!!!」









審判が慌てて担架を呼びつつ、私に紙を渡す。



なんだこれ……と思いながらそれを受け取れば"君は…元マフィアの用心棒で……格闘技経験アリ……そうだな次は70階だ。"と言われた。







あれ?100階まであと30階じゃん。





 
 

案外早く100階に行けそうだなと思った。










「カストロ〜、俺たぶん今日中に100階行けるぞ〜!!!!!」










大声で観覧席にいる彼に手を降りながら言えば、周りの視線がカストロに集中した。






え?




何?カストロ…え?




なんか遠くの方から女の子の黄色い声が聞こえだして、余計に頭の中が混乱する。








「君…カストロ選手と知り合いなのか?」







「え、あ、はい一応友人ですけど…」









正直に頷けば審判は驚いた顔で口を開いたまま固まった。





え、カストロなんか悪いことでもしたのか?






でもそうだとすれば女の子からキャーキャー言われなi……



あ、いつの間にか女の子はべらせてやがるアイツ!!!!!



くっそ…羨ましい!!!!!!



俺だって女の子にちやほやされたいわボケッ!!!!!







観覧席で大勢の女の子達に囲まれているカストロに口パクで"死ね"と言ってから、俺はリングを下りた。









その時にカストロの顔が真っ青になっていたのを俺は知らない。




 
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