もしもの世界。
□静ちゃんのお世話
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透明な赤ちゃんこと静・ジョースターを保護して数日、杜王グランドホテルにてジョセフと仗助は目の前の赤ん坊に手を焼いていた。
ジョセフも一応子育てを経験はしていたもの、それははるか昔の事で今じゃ微かにしか覚えていなかった。
唯一赤ん坊の抱き方とオムツ替えだけ覚えているぐらい…
流石にこれだけじゃあ駄目だろうと思ったジョセフは仗助と承太郎を呼び出して、話し合いを始めたのだ。
「やっぱり子育てには母親役が必要じゃとワシ思うんじゃよ」
サングラスをかけている静をあやしながらそう言ったジョセフに仗助は首を傾げる。
「だがよお〜、そんな奴ここにいねぇぜジジイ」
「なら呼べばいいじゃろう。気は進まんが…野郎のワシらよりは役に立つ子育てのスペシャリストを」
ふぅ…とめんどくさげに溜め息を吐いたジョセフに承太郎はそのスペシャリストが誰なのか分かったようでニヤリと口角を上げた。
ただ1人、そのスペシャリストが誰か分からない仗助はムスッとしたジョセフとどこか嬉しそうな様子の承太郎を交互に見て不満そうに眉を寄せる。
すると、承太郎が腰を掛けていたソファーから立ち上がり子育てのスペシャリストを呼ぶため電話機がある方へと歩き出しだした。
どんどんと話が進んでいく中、1人話から置いてかれている仗助は唇を尖らせ頬杖をつき電話をかけている承太郎を見やった。
「誰なんスかスペシャリストってよ〜……」
ボソッと不満気に呟いた仗助の言葉に、電話越しの相手ともう話終えた承太郎がチラリと仗助へ視線だけを向けてまた笑う。
「お前も知っている奴だぜ。」
「え?そうなんスか?」
「あぁ。……それと今から急いで来るとか言っていたからあと5分もしないうちに来るぜ」
「え、はやっ。」
仗助が頬杖をついていた手から顔がズルッと落ちて驚いていると、ジョセフは"あんまり会いたくないじゃがのぅ…"と深く溜め息を吐く。
それに仗助が頭にハテナを浮かべたら、クツクツと承太郎が笑った。