もしもの世界。

□とある執事の視点から
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私の名はテレンス・T・ダービーと申します。

ルーイ様が館へ奇襲を仕掛けて二日目。



我々部下はDIO様の"ルーイは俺の嫁"という何処の二次オタだよと言いたくなる宣言により、彼女への警戒を解きました。


まぁ、マライヤやミドラー辺りは少し不満気でしたがルーイ様と1日夜を共に過ごした次の日にはルーイ様まじルーイ様状態に…



何があったんですか。




これが女子会パワー?

パジャマパーティーの力?





スゴいですね。









まぁ、それは置いといて本題に入りましょうか……。



今私はルーイ様とDIO様の様子をヴァニラと共に眺めています。






何故か?






そんなのまだ少し疑っているからに決まっているでしょう?


いくらDIO様が嫁発言しても、いきなり奇襲を仕掛けてきた相手をすんなり受け入れれる分けがありません。




壁から少し顔を出すというアニメの様な盗み見&立ち聞きしながら彼等の様子を探る

ヴァニラから歯軋りが聞こえるのは…仕方無い事だとこの際片付けましょうか。
 


部下達が集まる広間でDIO様とルーイ様はソファーで寛ぎながらお茶をしていた。


向かい合う様に座っているのではなく、隣同士になって座り

楽しそうに何かを話しているんですが……その内容にかなり興味がわいてきますね。



ヴァニラなんて目が血走っていますよ。


DIO様に何か妙な事をしたら消す!!とでも言いたげですね…。



でも、DIO様とルーイ様のすぐ後ろの方に御子息のディーン様が彼等に背を向けてソファーに座っている

彼が居る限り私達は何も出来ません。



スタンド攻撃を一切受け付けないスタンド能力ってなんなんですか……スタンド使い泣かせか。


いや、その前にルーイ様のマダム・ローズで攻撃は防御されてしまいますね。



どちらも厄介な能力…






もはやチート。









ギリッと下唇を噛みつつ視線はそのままDIO様に向けていると……DIO様の動きが少し変わった。




なんだなんだと言わんばかりにヴァニラはその巨体を隠すことを忘れて壁から身を乗り出した……が、もちろん私がそれを阻止。


今邪魔したらDIO様がお怒りになりますよ

と声を小にして言えば、渋々壁に身体を隠した。









「ルーイ……」
 







我々が一度も聞いたことのないDIO様の安心しきった声音が静かな広間に響く



その声を聞いた瞬間にヴァニラが鼻血を出したのは言うまでもありません。






心底安らいだ表情で、DIO様はルーイ様の頬を優しく指でなぞった。

他の人間にはされない壊れ物を扱うような動作や表情に



あぁ…DIO様は本当にルーイ様の事が好きなんですね。



と素直にそう思えた。



DIO様のその動作にルーイ様はクスリと綺麗に微笑み

手に持っていたティーカップをテーブルへ置いた。









「なぁにディオ?甘えたいの?」









悪戯っ子の様に笑うルーイ様はとても妖艶に見えて、ヴァニラと私は頬を染めて喉を鳴らした。


………あ、とりあえずヴァニラは女性に興味がないっ!!てことは無いんですね。




DIO様信者すぎて正直ヴァニラの事をゲイだと思っていた


……なんて本人には言えませんがね。







さて、ヴァニラからDIO様へと視線を戻せば

DIO様がルーイ様へ熱烈なキスをしていた。








「「………。」」








思わず目を背ける私達。






 
 


DIO様……少し人目を気にするとかないんですか?



後ろに座っているディーン様が鬼の様な形相で睨んでいますよ。


しかも口を小刻みに動かして何か呟いています



呪詛でしょうかね。



時折"この吸血鬼ジジィを呪いたまえ地獄の未練の残りし死者達よ"と聞こえてくる。





その度にヴァニラがギリギリと壁にナイフを突き立てていまs…




「あーあーあー!!!壁に傷をつけないでくださいヴァニラ!!!誰が直すと思っているんですか!?」







「おのれ…DIO様の事を吸血鬼ジジィ等と……たとえ御子息でもDIO様をその様に呼ぶのは許せん!!!」












このブルマ聞いちゃあいねぇ。








 
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