□山岸由花子至上主義者C
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翌日、由花子が居ない一人だけの通学路を歩けば

昨日悪印象しか残さなかった二人が目の前に現れた。









「よお宇都宮!!」







「東方……くん」











眩しいくらいの笑顔で私の名を呼んだ彼に目が細くなる。

顔もだんだん彼と正反対のものになってくるのも分かり、私は俯いた。








「え、ど…どうしたよ?」






「あ!!由花子がいねぇからじゃあねえのか?…毎日一緒だしよお」









慌てる東方くんに小さな声で何か語りかけている強面の誰か。

私にも何気に聞こえる声量で、ないしょ話するならもっと声の音量下げれば良いのに…ていうか"由花子"と彼女の名前を呼ばないでくれるかしらと眉間に皺が寄る



一方東方くんは強面くんの言葉を信じたようで、ハッとした顔になった。








「あぁ、そうか!!宇都宮は登下校"山岸"と一緒だもんな。休みなのか?」






「えぇ……暫く休みよ。」










私が怒るツボを知ってくれている東方くんは由花子の事を苗字で呼んだ。



だからといって昨日の事は決して許されることじゃあないけれど。






にこにことその風貌に似合わない笑顔の東方くんを見上げれば、一瞬目があってすぐに逸らされた。
 







……なによ。









「それじゃあ私もう行くから……。」










立ち塞がっていた大男二人の間をスルリと抜けて足早に歩を進めれば、後ろから東方くんのモゴモゴと聞き取りにくい声が聞こえた。






内容は分からなかったけれど、たぶん私はそれにイエスとは言わないでしょうね。








 
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