ポジティブ!

□始まり!
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「あっ!テニス部の皆さんですよねぇ!初めましてぇ。篠崎瑠奈ですぅ。これからマネージャーとして頑張るからぁ、よろしくお願いしまぁす!」
あーまぁ確かにどう見ても狙ってんなぁ…。
「………」
みんなが喋らないから俺も黙ってしまった。
どうしたのかとみんなを見ると、見事に全員引きつる顔を隠すのに必死だ。
…頑張れ。
「…じゃあ篠崎さんは俺達が練習してる間部室で颯にマネージャー業教わっておいてね…。」
幸村がすまないとアイコンタクトを送ってきた。
しょうがないけど二人きりか…。
「あっ!みんな瑠奈でいいよぉ!
じゃあ行きましょお颯!」
早速勝手に名前呼び…。
「俺絶対無理っすよあれ!」
赤也が幸村や真田たちに叫ぶのが聞こえた。
篠崎は部室に向かっていて聞こえてなかったみたいだ。
ったく危ねぇな。
赤也に近づき軽く頭をはたく。
「おいこら聞こえんぞ。」
「だってあいつ…二人きりとか大丈夫すか?」
「大丈夫大丈夫なんとかなる。」
赤也を撫でてから急いで部室へ向かう。
部室につくと、急に篠崎の雰囲気が変わった気がした。
「あのさぁ可哀想だけど、アンタこれから嫌われてもらうね?」
「は?」
何言ってんだ?性格が悪いんだろうとは思ってたけども。
「アンタ顔いいしィ、勿体ないんだけど。
分かってんだよね、アンタみたいな信頼されてるマネージャーがいたら王子様達が心変わりしてっちゃうこと。」
「あー…と…?」
対応の仕方が分かんねぇ。
「あぁ嫌われた後はもう今までの信頼とか関係ないから。
絶対的な力でアンタに罰がくだるようになってるから。」
言ってることはむちゃくちゃだけど…ちょっと理解できてきた。
「何分析してんの?なんかむかつく。嫌われるってどういうことか分かってないでしょ?
まぁすぐ分かるけど。」
篠崎はニヤッと笑うと近くのスポーツドリンクの粉をあろうことか頭からかぶった。
「キャーーーーーーー!!」
いきなりの出来事とうるさい声に俺もなんか叫びそうになったから頭を落ち着かせようと思ったら急にドアが開いた。
「すごい声が聞こえたが…どうしたんだ?これは…?」
入ってきたのは柳だった。
「蓮二ぃ〜!助けてぇ!颯にねぇ、調子のんなってこの粉かけられたのぉー!」
はぁ?もしかして嫌われるってこういうことか…!?
だとしたらこの状況はやべぇな…。
バッと柳を見るとこっちを見て少し微笑んだ。
「それはないな。」
「なっ…!!な、何でぇ?」
素が若干でてんじゃねぇか…。
「どうしたんじゃ?何かあったんか?ってなんじゃこれは…?」
「仁王君?様子はどうだったんですか?……なんですかこれは。」
次々に立海メンバーが集まってきて、全員が勢揃いする。
「篠崎。説明してみてくれ。」
「あのねぇ!部室入ったら颯が調子のんなってこの粉をかけてきたのぉ!」
ざまあみろといわんばかりの顔をする篠崎。
「だそうだ。だがその確率は20%にも満たない。」
「!?」
「…証拠はひとつ、颯はそんなことをする人間ではない。」
「そうだよ。」
返事を求めるように幸村がこっちを見る。
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