テニスの王子様

□新宿二丁目
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今日俺と英二は新宿二丁目に来ている。
俺らは近所でキスとかできない…なんてぼやいてた英二が下のお兄さんにゲイバーを紹介してもらったらしい。
今はちょうどドアを開けようとしているところだ。
「うー、どきどきするにゃー…。」
「新入生の時みたいな感じだな…。」
俺がゆっくりとドアを開ける。
「いらっしゃい。」
「わ。結構賑わってる…。」
丸出しな人もいれば意外そうな人もいる。
やっぱ普段は隠してる人も多いんだろうな…。
とりあえず俺と英二はカウンターに座った。
「あら見ない顔ねぇ?」
マスターのような人に話しかけられる。
「はい。初めて来たんです…新宿も初めてで…。」
「まぁそうなの、若いものねぇ。私はマスターの村崎、村さんでよろしく。」
「俺達高校生なんです!」
楽しそうだな英二…。
「ん!君知ってる子にそっくり!」
「あ…もしかして菊丸って人ですか?」
ここのバー紹介してもらったしな。
「そう!菊ちゃん!」
「それ俺の兄ちゃんだ!」
「あらやだ弟!可愛い!」
英二は楽しいみたいでキャッキャと村さんと話している。
「若いな。新人?」
ガッチリとした人が隣に座ってきて話しかけてきた。
「そうなんです。」
初めてこういう人と喋るな…緊張する。
「あら洋ちゃんじゃない。」
「おう村さん。」
「そういえば名前きいてなかったわ。」
菊ちゃんの弟は菊丸…?」
「英二だよん!」
「英二ちゃんね、と?」
「大石秀一郎です。」
「じゃあ…秀ちゃんね!」
しゅ、秀ちゃん…。
「ぷぷ、秀ちゃんだって大石ー!」
「おめぇら付き合ってんじゃねぇのか…?」
「付き合ってますよ?」
あんまりそう見えなかったかな…?
「いや…名字で呼ぶのは珍しい…。」
「あぁ、そういえば英二。せっかくこういうところに来たのに名前で呼んでくれないのか?」
「二人の時しか呼んだことないし…なんか…。」
口ごもる英二。
恥ずかしいのか…可愛い。
「はっはっは!初々しいなぁ!
俺が色々教えてやるよ。気に入った。」
「洋ちゃん常連だからためになるわよ!」
「「ありがとうございます!」」
「付き合ってんならここの世界には色々気をつけなきゃいけないことがある。
二人は若いし男前だから狙ってくるやつも多い。
だからまず羞恥心なんて早く捨てて思いのままイチャついてればいい。
空気は読める奴らだからな。
後…トイレには気をつけろ。」
?何故トイレ…?
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