ブラッディエンジェルパロ

□君のことを、教えてよ
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昨日は、信じられぬことばかり起きた。
純白の羽根を持つ天使を、自宅の前で見つけるという、あまりに非、現実的な出来事だった。
家康はあまりのことに混乱したが、三成というその天使に一目惚れし、天使と一緒にいなければいけない、契約者、という関係になってしまったのだ。
勿論、その事については一切の後悔もない。
昨日は気疲れからか、そのあと直ぐ死んだように眠ってしまい、あまり話を聞くことすら出来なかった。
幸い、今日は日曜日なので、三成について詳しいことを聞こうとベッドの中でひっそりと誓いをたてる家康だった。


三成は契約後、近くにあったソファーで眠ってしまった。
本来ならば自分がソファーで眠ろうと思っていたのだが、あまりに心地良さそうに眠っているため、起こすこともままならず少し後ろめたい気持ちを引きずりながら寝室へ向かった。
朝、目が覚めると、リビングの方でごそごそと物音が立っているので、何かと思いベッドを離れると、三成がテレビに向かい、目を見開いていた。
どうやら、何かの拍子にリモコンのスイッチが入り、テレビがついてしまったようだ。
天使の世界にはテレビなんていうものは無いのか、瞬きを繰り返している。

「三成、テレビが珍しいか?」
「……?この箱はテレビというのか。家康、テレビの中に人間がいるぞ。大丈夫なのか。」

家康はくすりと笑って、三成を見据えた。
本気で聞いているのが、どこか可笑しい。
三成は家康が馬鹿にした態度を取ったと思い、苛ついたようで、家康をぎろりと一睨みした。

「すまんすまん、それは、映像が流れているんだ。人じゃあ無いよ。」
「映像?」

三成は余計に訳がわからない、という顔をして首を傾げた。
三成の前世は人間だが、それは何百年も前の話だ。
映像という概念が無くても不思議ではないが、テレビというものは説明がどうも難しい。
さらに、映像を電波で送っているのだから、尚難しい。
家康はうーんと唸って、三成をちらりと見た。
家康の答えを期待して、じっと見つめている。
家康は手を上げ、はは…と苦笑いした。

「テレビはな、目に見えない、電気、という力で映像、つまり動く写真や絵かな?が送られるんだ。」

観念したように、テレビについての細々とした説明を始めた。


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