戦国

□雨降って地固まる
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喧嘩した。
あいつと。

その日はひどい雨が降っていた。


会議中だった。

次に攻め込む場所の意見が割れたのだ。

そしてあいつは
「それならあなた様の好きになさいませ。」
と言ってふすまをぴしゃりと閉めた。



それからというもの。

あいつは俺と口を利かなくなった。


俺はそれに耐えきれず、城から出た。


民の迷惑にはなりたくなかったが・・・。
快く俺を迎えてくれた。

そのお礼として俺は農業を手伝ってやることにした。


「わりいねー、お侍さん!」
「HA!こんぐらいどーってことねえよ。」

そんなこと言って。
くわを持ったことがない俺には体力的にも、精神的にもきつかった。





あいつは・・・。
こんなことを平気でやってるふりをして、
実はつらかったのかもしれない。

それなのに、俺は・・・。考えただけで涙があふれてきそうになった。


3日ぐらいたっただろうか。
城に戻ると世話になった民に伝え、家を出た。


その時である。

ぽつ、ぽつぽつぽつ・・・。

雨だ。

「くそっ・・・。」

だんだん大降りになった雨は俺を隅々まで濡らした。

このままだと城に帰れないことは一目瞭然だった。

木の下で雨宿りをしていた俺にざ、ざという
足音が近づいた。


誰かくる!

本能的に危険を感じた。刀に手をかけ、その相手を待ち構えた。

そして目の前に相手が。
間違いない。



小十郎だ。



小十郎ははあ、とため息をついた。

「あなた様というお方は・・・。」

「・・・sorry、心配かけたな。」

「あなた様が無事なら、それでいいのです。
あなた様はこの国、いやいづれ日本を治める大事なお方なのです。」

こんなに心配していた小十郎に対し、申し訳ないという気持ちでいっぱいになった。

そして知らない間にぽろっと涙が流れていた。

「・・・しょうがないお方ですね。」

きつく、しかしや優しく小十郎が俺を抱きしめていた。


それと同時に。


雨が上がり、虹が出ていた。


雨降って地が固まった瞬間だった。

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