戦国

□キミトノキョリ
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旦那と離れてから1週間ぐらいがすぎた。
俺様は今任務の途中でしばらく戻れない。


・・・と言った時の旦那の目。忘れられない。哀しいって言うか、驚きって言うか。

俗にいう「遠距離」ってヤツ?



1週間あってないって言うとほんとつらい。
これ以上つらいことはないぐらい。
「きっと生きて帰ってこい、佐助・・・。」
その言葉。忘れられるかっての・・・。
早く会いたいよ、旦那・・・。



もう少しで2週間。帰れる。旦那の元へ。
心がウキウキしてきた。時間が過ぎると
ホントに今日もやってるなって感じがする。
あともう少し。もう少しだ。
大好きな旦那と会えるまで・・・。


今日で2週間。任務終了。帰れるよ。
給料分の働きにはまだちっとたりねぇかな?
なーんてね。俺様は薄ら笑みを浮かべる。

甲斐に帰ってきた。落ち着くなぁ、やっぱり。
庭ではお館様と旦那の声。叫び声。
恒例の殴り愛ってやつだな。
俺様は旦那に気づかれぬよう、そっと館に
入った。
「ただいまぁー・・・。」

相変わらず殴り愛が続いている。
「幸村よ、部屋で休むがよいわ。」
お館様、さっすが。分かってる。


ガラガラ・・・。ふすまの戸が開いた。

「!!・・・佐助・・・?」
「ただいまぁー。」

旦那は俺様を抱きしめた。強く、深く。






「待ってたぞ・・・。佐助・・・。」







ああ、俺様はやっぱり・・・



旦那と近くに居たいんだな。



旦那がいるから俺様がいるんだな。





距離ってこんなに縮まるもんなんだ。
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