千本桜
□〜ドリランド物語〜
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コンコン…
「姫、入りますよ」
「いいよ…」
ウォーレンスはシロマ姫のいる部屋にノックして入った
「食事の時間ですよ?」
「……うん」
「……姫、ですから…」
「…うん」
何度話しかけても短く返事をするだけで動こうとしない
よくみると、何かを作っているのか小刻みに手を動かしている
そっと覗き込むと、字が書いてある紙をおって紙飛行機を沢山作っていた
「…あの…何故、紙飛行機を?しかもそんなに沢山…」
「…全部飛ばすの…外に…」
そう言うと全部の紙飛行機を両手に抱えて大きな窓の前に立った
ウォーレンスもすぐに後を追ってずっと見ていた
「…ねぇ」
「はい?」
シロマは淋しそうに一つの紙飛行機を手に持った
「…紙飛行機っていう物語、知ってる?」
「いえ…知りませんけど…」
シロマは紙飛行機の物語について語り始めたーーー