千本桜
□奪われる
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「………んっ……」
白哉は目が覚めた。
起き上がろうとするが、手と足を拘束されていたため、身動きが取れない。
「お早うさんっ。目ぇ、覚めた?」
白哉の元にやって来たのは、
三番隊隊長・市丸ギンだ。
「なっ!市丸ギン……!!」
「ギンやのうて、市丸隊長やで?あんたの妹さんにも言うたのになぁ〜。」
ギンは白哉にゆっくり、一歩、一歩と近ずいてくる。
白哉は逃げたい思いでいっぱいだったが、拘束されていて動けない。
そのまま壁まで追い詰められた白哉は、少し怯えた表情でギンを見ている。
「本当に可愛いわ、白哉はんは…こんな状況でも冷静さ、保てる思ってるん?」
ギンは白哉を追い詰める。
抵抗できずにいる白哉を、ギンは嬉しそうに眺めていた。
ギンは両手で白哉を壁に押し付け、白哉の喉元を舐めた。
「っ……!!」
それに沿うように、白哉は体を震わせる。
「な…何が、したい…
…貴様……」
白哉は、虚な瞳でギンを睨みつける。
「…恋次くん、最近白哉はんにつきまとって嫌やねん。白哉はんは、ウチのもんや……」