その他テイルズ小説
□lonely time
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あのユグドラシルバトルから1年。
マオは自らの生まれを知り、世界樹を守るために、闘技島の番人たちと共に暮らしていた。
一方のカイウスは、ヒトとレイモーンの共存の道を探して旅に出た。
仲間のレイモーンたちと共に、そして理解あるヒトたちのおかげで、種族間の距離はほんの少しだけ縮まっていた。
「俺、マオのことが好きだ。」
1年前の告白。マオは当然のごとくそれを受け入れた。
「ボクも…カイウスが好き。」
でもお互いやることがあるから。
1年後にまた会うことを約束して、カイウスは旅立った。
そして今日がその日。
カイウスはセネルの船で闘技島に向かった。
1年前に漂流したときとは違う、ちゃんとした船着き場には、既にマオが待っていた。
「カイウス!!」
カイウスの姿を見つけるなり、マオはカイウスに抱きついた。
「久しぶり、マオ。」
「うん…ホント、久しぶりだヨ…。」
1年ぶりに感じる、お互いの感触。
「カイウス、ちょっとガッチリしたネ。」
「ん? …まあ1年も経ったからな。」
「うん、かっこよくなった。」
マオにそう言われると、カイウスは照れくさくなって笑った。
「マオは変わらないな。」
「だって、そういう体なんだもん。」
「うん、分かってる。」
しばらく抱き合った後、マオの家に向かうことになった。
「マオ、まだ俺のこと好きか?」
「あったりまえじゃん! カイウスは?」
「俺は好きだよ、ずっと、お前だけが好き。」
「へへ、ありがと。」
マオは闘技島の番人たち――チェスター、アーチェ、プレセアと一緒に住んでいた。
プレセアも久しぶりにカイウスと会い、嬉しそうにしていた。
マオの部屋に入った後、すぐに2人は口づけを交わした。
1年ぶりのキスは、その時間の長さを痛感させるものだった。
「これからは一緒に暮らせない、カイウス?」
マオが切なそうに尋ねる。1年の間、相当寂しかったのだろう。
「いいのか? 俺、ここに住んでも。」
「実は、もう許可はとったんだ。あの3人に。」
「ホント?」
「うん。あとはカイウス次第だけど…。」
カイウスも、できればマオとずっと一緒に過ごしていたい。
だけど、レイモーンの問題は、自分たちが解決しなければならないのだ。
「分かった。でも、俺はやらなきゃいけないことがあるから、あんまり家にはいられないと思う。それでもいいか?」
「うん。それは仕方ないよネ。」
「なるべく多く帰ってくるよ。今は仲間たちもいるから、少し俺がいなくなっても平気だし。」
「ホント?」
マオの問いに笑顔でうなずくカイウス。
「片がついたら、ずっと2人で暮らそうな?」
「うん…。ずっと一緒にネ。」
愛を確かめ合うように、2人は再び唇を重ねた。